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カテゴリ:教育
「水兵リーベ僕の舟」と言えば、言わずと知れた元素の周期表の覚え方ですね。字の当て方は人それぞれだと思いますが。医学生だと「嗅いで、見る、動く、車の、ミツは、外」と言うのがあります。これは脳神経の覚え方です。私の最近のお気に入りは英語版のこれです。
“How I need a drink, alcoholic of course, after the heavy lectures involving quantum mechanics.” 英語の言い回しとしては不自然なところもあるのでしょうが、意味は取れます。私流に訳してみれば、こんな感じです。 「量子力学に関する難しい講義のあとでは是非とも一杯やりたいね。もちろん酒だよ」。 これはやはり何かの覚え方なのですが、何の覚え方なのかは最後に回す*として、文字通り講義のあとでは酒を飲むものだと信じ込む人が居たらどう思うでしょうか。 かけ算の順序については以前にも書いたのですが、こだわる人たちを見ていると、覚え方と事実を混同しているように見えます。 本来は、かけ算を習得するための教育法として、ひとつ当たりの数といくつ分の数を区別し、前者を先に書くことにしたのでしょう。それがいつの間にかかけ算のルールだと言うことになってしまったようです。たとえばこんな授業が行われています。 (リンクはすぐに切れると思われます) 2×8ならタコ2本足 かけ算を習うのは今は2年生のようです。順序にこだわることが本当にかけ算の習得に役に立つのだとしても、それは2年生限定でしょう。交換法則を習った3年生に順序を守らせる意味などありません。たとえばタコ2匹分の足の数の数え方ですが、こんな図を考えてみましょう。 タコ1 足 足 足 足 足 足 足 足 タコ2 足 足 足 足 足 足 足 足 3年生になれば 縦×横 も 横×縦 も同じと言うことは知っています。 2×8 だろうと 8×2 だろうとどちらでも良いことは明白です。 単に計算結果が同じだからではなく、どちらも同じ、等価だと言うことです。 一見異なっているように見えるものが実は同じものと見なせる、等価である、と言う抽象化は、算数や数学にはとても大切な概念だと思うのですが、わざわざ教育機関がその芽を摘んでどうするのでしょう。 *各単語のアルファベットの数を並べると、円周率πになります。3.14159265358979 もちろん近似値ですが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.18 22:08:45
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