事故が起きたとき、リスクマネージメントの面からは、何が悪かったのかを考えるものです。でも、警察は誰が悪かったのかを考えるのでしょう。
業務上過失致傷容疑で捜査をすると言うことは、当然容疑者を特定して刑事罰を問うと言うことを前提にしているのでしょう。でも、それでは事故の再発は防げません。
誰が悪いと言うことではなく、
何処に問題があったのかを問わなければ事故の原因究明には結びつきません。何時になったら原因の究明と再発防止に力点が置かれるようになるのでしょうか。
特急炎上:4両目もいったん脱線していた
北海道占冠(しむかっぷ)村のJR石勝線トンネル内で特急列車(6両編成)が脱線炎上し、39人が負傷した事故で、北海道警は31日、業務上過失致傷容疑でJR北海道本社(札幌市中央区)など関係先を家宅捜索した。
一方、JR北海道は31日、列車5両目のほか、推進軸などの部品が落下した4両目の車両もいったん脱線していたことを明らかにした。4両目は約720メートル先のポイント部分で障害物に乗り上げて偶然レール上に戻ったとみられ、戻らなければ横転事故につながる可能性もあった。
JRによると、列車はトンネル約1.8キロ手前で最初に4両目の減速機つりピン(長さ19センチ)が脱落。さらに推進軸の一部を次々と落下させながらトンネル手前793メートル地点から脱線した。列車はそのまま721メートル走行。2本のレールが交わるポイント部分でレールに乗り上げて元に戻った。
つりピンは減速機と車体を固定する部品で、外れると減速機からつながる推進軸が破損する恐れが高まる。94年5月にJR室蘭線で特急列車の推進軸が脱落した事故でも、原因はつりピンの脱落だったという。
また5両目は4両目がレールに戻ってから約40メートル進んだ地点で脱線した。付近に減速機の歯車が落ちていたため、車輪が部品に乗り上げたとみられる。【金子淳】
毎日新聞 2011年5月31日 21時13分(最終更新 5月31日 21時15分)