昨日・今日と、朝日新聞の一面トップの記事はプロ野球の巨人軍の契約金問題。かげりが見えてきたとはいえ、一応人気球団の不祥事なので、関心のある人は多いかもしれません。でも、一般紙のトップ記事としてふさわしい話題なのでしょうか。
もちろんスポーツ紙なら分かります。でも、いくらライバル新聞社が親会社の巨人軍の不祥事とはいえ、大手一般紙として、一面トップにでかでかと載せるのはいかがなものかと。
昨年の大災害から一年が経ったというのに、未だに大量の瓦礫が処理できずに残っています。国全体として処理するほか無いのですが、根拠のない不安により、瓦礫の受け入れ反対運動が起きているという現実があります。マスメディアが協力して瓦礫の安全性をアピールしてくれれば、不安の払拭に貢献でき、瓦礫の処理のスピードも増すでしょう。被災地は本当に困っているのですから、こういう事に力を入れて欲しいと思います。
また、国家財政は非常に逼迫しており、個人に置き換えればとっくに破産状態です。財政の改善は喫緊の課題であり、現政権は消費税の増税で乗り切ろうとしています。一方で、増税は景気の冷え込みの懸念があり、そうなれば返って税収が落ち込むこともあり得ます。経済音痴の私にはどうすれば良いのか分かりませんが、今まさにそのことが国会で決められようとしている時期です。
それなのに、以下の記事がトップですか。実際の紙面から文字起こしをするのは大変なので、手抜きしてデジタル版からコピペで引用します。
巨人、6選手に契約金36億円 球界申し合わせ超過
朝日新聞デジタル 2012年3月15日0時54分
プロ野球・読売巨人軍が、球界で申し合わせた新人契約金の最高標準額(1億円プラス出来高払い5千万円)を超える契約を多数の選手と結んでいたことが、複数の関係者証言と朝日新聞が入手した内部資料から明らかになった。14日現在で確認できたのは、1997~2004年度に6選手と結んだ計36億円の契約で、このうち計27億円が最高標準額を超過する内容だった。
読売巨人軍は朝日新聞の取材に対し、「個別の選手の契約は申し上げられない。標準額は07年までは上限ではなく、超えても構わないというのがプロ野球全体の理解のはず。ルール違反ではない」と話している。
超過額の契約が判明したのは、高橋由伸、上原浩治(現大リーグ)、二岡智宏(現日本ハム)、阿部慎之助、内海哲也、野間口貴彦の6選手。
プロ野球では93年のドラフトから、社会人と大学の選手が入団する球団を選べる逆指名制度を導入。これに伴い、球団間の争奪戦で契約金が高騰するのを避けるため、新人選手の契約金の最高標準額を1億円と12球団で申し合わせた(翌年から1億円プラス出来高払い5千万円)。
巨人軍の複数の内部資料や関係者証言によると、97~00年のドラフトの逆指名制度と、01~04年の自由獲得枠で入団した選手のうち6選手について、最高標準額を超過する契約金額となっていた。
最も高額なのは、阿部選手(00年ドラフトで入団)の10億円。野間口選手(04年)は7億円、高橋選手(97年)は6億5千万円、上原選手(98年)、二岡選手(同年)は各5億円、内海選手(03年)は2億5千万円となっている。このほか、上原選手には退団時の功労金1億2千万円、二岡選手には退団時の功労金7千万円と別の出来高払い3千万円も支払う契約となっていた。
6選手の契約では、1億5千万円を超過する金額について、複数年にまたがって分割払いするとし、各年の出来高条件の一部をクリアした場合に支払われるとされていた。複数の巨人軍関係者によると、巨人軍にとってこの出来高払いは税務上、契約金の分割払いとみなされ、通常の出来高払いとは違う会計処理をしていた。各選手も税務申告する際、契約金の一部であることを明らかにしていた。国税当局も税務調査などでこうした内容を把握しているという。
最高標準額を超過した契約金をめぐっては、横浜(現DeNA)が、04年に自由獲得枠で入団した那須野巧選手に5億3千万円の契約金を支払っていたことが07年に発覚。西武も同年、選手15人に対し最高標準額を上回り、計11億9千万円(超過額)を支払っていたと公表した。プロ野球を統括する日本野球機構は、これらの行為について厳重注意処分とした。今回判明した巨人軍の契約の中には、これらと同時期に結ばれていたものもある。
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〈契約金の最高標準額〉 新人選手の契約金についてのプロ12球団の申し合わせ事項。球界の憲法にあたる野球協約では触れられず、超過に対する罰則はなかった。ただ、07年に西武と横浜で最高標準額を超える契約が発覚した際、当時の根来泰周コミッショナー代行は両球団を厳重注意とし、「申し合わせに反するとして制裁を科すことは適当でないが、野球協約第194条にいう『野球を不朽の国技とし、利益ある産業とする目的』に抵触する疑いがある」と西武に通知している。逆指名制度は01年から自由獲得枠、05年から希望入団枠と名称を変え、07年に廃止された。07年10月、12球団は契約金の上限を1億円と出来高払い5千万円で合意し、破った場合は制裁を加えることを決めた。