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2012.04.27
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カテゴリ:医療
 最近は小さな病院では手術をしない傾向にあり、大きな病院の手術予定はいつも埋まっています。ガンの手術でも一月くらいは待ちますから、良性疾患ではかなり待たせることになります。また、患者や家族にとっても、手術するとなれば仕事や家庭のスケジュールを調整しなければなりません。術者側も患者側も少しくらいのことで手術を中止して予定を変更されたくはないでしょう。

 その様な中、患者の体調が悪いときに手術を断るのは麻酔科医の仕事です。検査で肝機能が激しく悪化しているというような誰が見ても無理な状況なら良いのですが、少々風邪気味というような状況は悩みます。でも、今後はこのような判決が出ていることを見せればいいので断りやすくなるかも知れません。プリントアウトしておいた方が良いかなあ。

「不適切検査で男児死亡」 沖縄県に賠償命令
共同通信社 4月26日(木) 配信


 沖縄県立病院に入院した生後7カ月の男児が心臓カテーテル検査後に死亡したのは、体調が悪いのに検査を延期しなかったためだとして、両親が県に約5540万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁は25日、病院の対応は不適切だったと認め、約3700万円の支払いを命じた。

 病院側は「検査前に男児が下痢などで体調が悪かったとの記録はなく、過失はない」と主張したが、酒井良介(さかい・りょうすけ)裁判長は「ほぼ24時間付き添った母親の証言から、男児は継続的に下痢をしており、医師も認識できた」と認定。

 男児はウイルス性腸炎だったと推認できると指摘し「死因は解明されていないが、体調が回復するまで検査を延期するなどしていれば男児が生存していた可能性があった」として、病院側のミスを認めた。

 判決によると、男児は2003年7月に生まれたが、先天性心疾患の「心房中隔欠損症」と診断され、県立那覇病院(現在の県立南部医療センター・こども医療センター)に入院中の04年2月25日に心臓カテーテル検査を受けたが、26日に死亡が確認された。



 周術期(手術の前後を含めた一定の期間)には様々な理由で死亡する危険がわずかながらあります。悪性高熱症や肺塞栓症、アナフィラキシーなどです。またいつでも起きうる突然死もあります。心筋梗塞や脳卒中、小児なら乳幼児突然死症候群などです。

 死因というのは分からないことも多く、引用した記事の例でも分かっていません。でも、死因が分からなくても、術前の体調との因果関係が分からなくても、ましてや、術前に本当に体調が悪かったのか分からなくても、親が「体調が悪かった」と言うだけで賠償命令が出るのであれば、堂々と手術を断ることが出来そうです。





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Last updated  2012.04.27 05:46:19
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