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カテゴリ:医療
最近は小さな病院では手術をしない傾向にあり、大きな病院の手術予定はいつも埋まっています。ガンの手術でも一月くらいは待ちますから、良性疾患ではかなり待たせることになります。また、患者や家族にとっても、手術するとなれば仕事や家庭のスケジュールを調整しなければなりません。術者側も患者側も少しくらいのことで手術を中止して予定を変更されたくはないでしょう。
その様な中、患者の体調が悪いときに手術を断るのは麻酔科医の仕事です。検査で肝機能が激しく悪化しているというような誰が見ても無理な状況なら良いのですが、少々風邪気味というような状況は悩みます。でも、今後はこのような判決が出ていることを見せればいいので断りやすくなるかも知れません。プリントアウトしておいた方が良いかなあ。 「不適切検査で男児死亡」 沖縄県に賠償命令 周術期(手術の前後を含めた一定の期間)には様々な理由で死亡する危険がわずかながらあります。悪性高熱症や肺塞栓症、アナフィラキシーなどです。またいつでも起きうる突然死もあります。心筋梗塞や脳卒中、小児なら乳幼児突然死症候群などです。 死因というのは分からないことも多く、引用した記事の例でも分かっていません。でも、死因が分からなくても、術前の体調との因果関係が分からなくても、ましてや、術前に本当に体調が悪かったのか分からなくても、親が「体調が悪かった」と言うだけで賠償命令が出るのであれば、堂々と手術を断ることが出来そうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.04.27 05:46:19
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