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カテゴリ:生物
実は昨年からメダカを飼っていました。釣り堀の餌用のメダカを買い、5匹から始めて今年の春には60匹以上になっています。今年生まれた稚魚の数も、すでに数十になっているでしょう。隔離して保護するのは、もう、やめておいた方が良さそうです。
メダカの外飼いで困るのはアオミドロです。見た目が悪いのはもちろんですが、水草にまとわりつかれると、水草が弱ります。その対策として生物兵器を投入しました。ヒメタニシとミナミヌマエビです。元々水草についてきたサカマキガイがはびこっているのですが、こいつは全く役に立ちません。適当に潰してメダカのおやつにしています。間違えてタニシの稚貝を潰さないようにしなければ。 サカマキガイの繁殖力は絶大で、アクアリストのあいだでは水槽のゴキブリと呼ばれて嫌われています。アクアリストがスネールと言った場合、一般的には繁殖力旺盛でゼリー状の卵を産む嫌われ者の巻き貝のことです。 タニシを導入するにあたって少し調べたのですが、ググってみると、スネールとタニシを混同している人が多いことに気がつきます。「タニシが増えて困っています」と言う相談の多くはスネールのことです。回答者の中にも混同している人はたくさんいます。この誤解はなかなか根強いようです。タニシについてネットで調べるのであれば、本当にタニシのことについて書かれているのか確かめなければいけないようです。 中にはきちんと調べているにもかかわらず間違っている人もいます。たとえばこのサイトです。所々引用してみます。 日本に棲息するタニシは、オオタニシ・マルタニシ・ナガタニシ・ヒメタニシの4種で、このうち最もポピュラーなのは、ヒメタニシです。小型で日本各地で見られます。我が家に来たのもおそらくこのヒメタニシと思われます。以下単に「タニシ」と表記する場合は、ヒメタニシを指すと思ってください。 一応調べたことが伺えます。でも、サイズまでは調べなかったのでしょう。ヒメタニシの成体は2cm くらいはあります。水草にくっついてくるには大きすぎます。 さて、我が家にファースト・タニシがやってきたのは、1997年・夏のことでした。当時小学生であった妹が夏休みの観察日記のため、池でメダカを2匹捕えてきた際、メダカの餌の水草に、大きめのタニシが1匹くっついていたのでした。たかがタニシ。たかが1匹だけ。 ここを読んだ時点でタニシではなさそうだと思いました。 数週間後のある日のこと、何げなくメダカの水槽をのぞくと、水槽の壁面にゼリー状のものがいくつか付着していました。 これはスネールの卵なのですが、その後を読むと、卵ではなく稚貝だと思っていたようです。 wikipediaによりますと、「交尾によって体内受精し、卵が子貝になるまで体内で保護する卵胎生で、十分育った稚貝を数個から十数個産み出す」とのことです。 これはタニシについての記述です。卵胎生なのですから、親と同じ形の小さな貝を生むのですが、ゼリー状の卵との違いは気にならないようです。あくまでスネールをヒメタニシだと思いこんでいます。 さて、繁殖し続けたタニシのその後です。 スネールの繁殖力のすさまじさが窺われます。タニシではここまで増えることはありません。爆殖する生体を放置すると、その後に待っているのは崩壊です。それでもある程度は生き残ったようなのですが、ここで暴挙に出ます。 或る程度の数になった時点で、複数の水槽に分けるべきだったのでしょう。それでもあれだけたくさんいたタニシが全滅することはなく、最後に残った者たちを、近くの池か川に放しに行き、私のタニシ生活は終わったのでした。 これは生き物を飼う者が決してやってはいけないことです。自然の中にはその場その場の生態系があります。不用意な放流は生態系を破壊するおそれがあります。たとえ同じ種類の生物が居たとしても、その遺伝情報は地域によって異なります。いらなくなった生体は、たとえ残酷と思われても、自分で始末しなければならないのです。商品価値のあるものであればアクアショップなどで引き取ってもらえるかも知れませんが、スネールでは無理でしょう。 スネールとタニシを混同したことを嗤うつもりはなく、ただ単に混同する人が多いということの実例として挙げさせてもらいましたが、最後の放流だけは非難に値することであり、本当に残念です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.18 12:57:58
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