奇跡というのはほとんど起こる可能性がないから奇跡という。だから奇跡が起こるのはドラマの中だけなのだけど、今回ばかりは奇跡を願う。
思えば2年前、世界卓球の女子団体戦で、シンガポールが奇跡を起こした。常勝中国を破ったのだ。その立役者がフェン・ティアンウェイ。今回の対日本戦もフェン・ティアンウェイで2勝をもくろんでいたと思う。
ところが愛ちゃんがフェン・ティアンウェイを破ってしまった。2番手のワン・ユエグ選手は年齢的にも下り坂で、しばらく前から腕にテーピングをしているところを見ているので本調子ではなさそう。シングルスでも佳純ちゃんが勝っているのでいけると思っていたら、やはり圧勝。
次のダブルスは平野が登場。平野は何と言っても団体戦が強い。鬼と呼ばれるほどの精神力の持ち主だ。誰と組んでもやってくれそう。そんな期待に応えてやはり圧勝。
ここまで来ると、やはり奇跡が見たい。中国との実力差を考えると一人勝っても快挙と言えるレベルなのだが、それでも期待は膨らんで行く。決勝戦は起きていられる時刻ではないが、忘れずに録画しよう。勝手に放送予定を変えるなよ、NHK。
卓球女子団体、「金」に王手! 初メダル確定!
2012.8.6 04:20 サンスポ
ロンドン五輪第10日(5日)卓球女子団体準決勝を行い、日本は北京五輪銀メダルの強豪・シンガポールに3-0で勝ち、決勝へ進出。金メダルに王手をかけ、銀メダル以上を確定させた。
1988年ソウル五輪で正式種目に採用されて以来、五輪の卓球で日本がメダルを獲得するのは個人、団体を通じて初の快挙。日本は7日、金メダルをかけ、中国-韓国の勝者との決勝に臨む。
日本は第1試合、福原愛(ANA)がシングルス銅メダリストの相手エース、フェン・ティアンウェイと対戦。福原はサーブで崩し、相手のバックにボールを集めた。落ち着いたプレーでフェンの強打を封じた。3-1でものにして、大きな先勝をもたらした。
第2試合は石川佳純(全農)がスピードあふれる攻撃で、ワン・ユエグを圧倒。3-0のストレートで下して、決勝進出に王手をかけた。
第3試合のダブルスは石川と平野早矢香(ミキハウス)のペアが、攻守に息の合ったところを見せ、シンガポールのペアを3-0で押し切った。
勝利の瞬間、石川と平野が抱き合い、福原は手で顔をおさえて涙を浮かべた。
村上恭和・女子監督の話
「福原が勝った時点で勝つ確率がぐっと高まった。ダブルスも予定通りに力を出してくれた。この4年、北京の悔しさを持って戦う福原たちの姿を見てきたし、勝った時は私ももらい泣きした」
福原愛の話
「集中力の戦いだと思って1球ずつ頑張った。北京五輪とは正反対の景色を見ることができた。ここまで長かった。被災地の子どもたちとも約束を守ることができて本当にうれしい」
石川佳純の話
「信じられない気持ち。こんなにうれしいのは初めて。福原さんが第1試合に勝ってくれて勢いに乗ってプレーできた。2人が初出場の私に声を掛けてくれて、のびのびできた」
平野早矢香の話
「2人に感謝したい。3人とも一つの気持ちで向かって戦うことができた。愛ちゃんがチームの流れをつくってくれた。卓球の神様が応援してくれた」
*シンガポールの選手名は記事に準じました。