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医療報道を斬る

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2012.10.12
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カテゴリ:医療
 ここのところブログ名とは関わりのない話題ばかりなので、たまには医療報道を斬ってみます。

麻酔と誤って止血剤注射…信大付属病院

 信州大医学部付属病院(松本市)は10日、80歳代の男性患者に皮膚の移植手術をする際、局所麻酔で別の止血用薬剤を誤って注射する医療事故があったと発表した。患者は手術中に心拍数や血圧が上昇し、一時意識不明となったが、集中治療室で治療を受け、回復に向かっているという。

 同病院によると、患者は動脈が詰まり、足がただれる重症下肢虚血で今月3日、左足に脇腹の皮膚を移植する手術を受けた。手術前、担当医師が局所麻酔用の薬剤リドカインEを注射するはずが、看護師は生理食塩水で希釈した止血用のアドレナリン注射薬が入った注射器3本(計30ミリ・リットル分)を渡し、医師がそのまま注射した。

 看護師はアドレナリン注射薬を希釈中に医師から「局麻(局所麻酔薬)下さい」と言われ、手元の注射薬を求められたと思って手渡した。お互いに声に出して薬剤名は確認しなかった。別の看護師がアドレナリン注射薬の量が少ないことに気付き、ミスが分かった。

 男性患者は手術後半に心拍数や血圧が上がり、終了後に検査した結果、ストレスなどで心臓の筋肉が動かなくなるたこつぼ型心筋症と診断された。止血剤を注射したことが原因とみられるという。患者は快方に向かっているが、現在も集中治療室で治療を受けている。

 記者会見した天野直二病院長は「二度と繰り返さないよう、速やかな再発防止策を講じたい」と陳謝した。
(2012年10月11日 読売新聞)


 当初の予定ではリドカインEを注射するはずだったとのことです。リドカインEにもアドレナリンは入っていますから、止血用のアドレナリンの濃度が分からないと、アドレナリンが予定よりも過量投与となったのか分かりません。

 また、手術を行ったのですから、当然局所麻酔薬は投与されたのでしょう。そのとき、予定通りリドカインEを使ったのであれば、更にアドレナリンを投与したことになります。そんな馬鹿なことはしないとは思いますが、書かれていない以上、疑いは晴れません。

 中日新聞の記事では、局所麻酔薬を投与し直して手術をしたことが記されていますが、薬剤名は書かれていません。 

毎日新聞の記事では、止血用に用意されたのは0.01%のアドレナリン希釈液とのことです。これはリドカインEよりも一桁濃度の高いアドレナリンを含みますので、10倍のアドレナリンを投与したことになります。

 結局読売の記事を読んだだけではミスが容態悪化の原因かどうかすら分かりません。また、3社の記事を読んでも、使われた局所麻酔薬が何であったのか不明です。いつものことですが、知りたいことが書かれていない記事を見ると、じれったくなりますね。





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Last updated  2012.10.12 18:14:20
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