以下のような記事を朝日新聞で読み、テレビでも見たので信じていました。
水族館イワシに迫る危機 「緊張感を」マグロ軍団投入へ
【半田尚子】最近、名古屋港水族館(名古屋市港区)のマイワシがたるんでいるらしい。渦状になってえさを食べる「マイワシのトルネード」が売りの黒潮水槽なのに、群れから離れ、はぐれてしまう。穏やかな環境に慣れたマイワシに活を入れるため、28日に天敵のクロマグロ15匹を投入する。
日本近海を流れる黒潮をイメージした水槽は、高さ5メートル、幅14メートル。体長20センチほどのマイワシから、1メートル以上になるサメやマンボウまで、自然界で共存している魚が泳ぐ。
黒潮が流れる海は沖合で、マイワシが隠れられる岩陰などがない。そのため群れをつくって大きな魚から身を守る。水槽でも群れで泳いでいたが、最近、隅の方を1匹で泳ぐマイワシがいることがわかった。
なぜ緊張感のないマイワシが現れたのか。担当の小串輝さん(46)は「『どうせ自分たちは食べられない』と気づき、油断しているのではないか」と話す。
自然環境に近づけた展示をめざすものの、マイワシが次々食べられてしまっては困る。そのため、捕食する大きな魚には多めにえさを与え、マイワシを追う必要がない満腹状態にしてきた。それが、一部を「増長」させた可能性がある。
体長が3倍もあり、本来ならマイワシをえさにするカツオと、アジの切り身を奪い合う怖いもの知らずもいるという。緊張感を取り戻すのに効果が期待されているのが、高速で泳ぎ回る大きなクロマグロだ。
いまの水槽にも1メートル以上のものがいるが、2匹なので存在感は薄い。そこで、三重県南伊勢町の養殖場で育った体長60~70センチの15匹を援軍として水槽に入れることにした。
小串さんは「怖いマグロの存在で、『食べられるかも』という緊張感を持って群れを作ってほしい」と話す。
■シュモクザメ失敗、マンボウは善戦
これまでマイワシに活を入れるために黒潮水槽に投入された魚は3種類。成果はおもわしくない。
両目がハンマーのような形に左右に飛び出したアカシュモクザメ(体長120センチ)は鹿児島県から来たが、水槽の低い水温が合わず死んだ。サワラ(体長50センチ)も、尾をぷりぷり振って泳ぐ姿がサメの注意をひき、かじられて死んだものがいた。
存在感で群を抜くマンボウ(体長90センチ)は、それなりに善戦している。現在5匹。大きな体でのんびり泳いでいるだけのようだが、マイワシはマンボウを避けて泳ぐ。
名古屋港水族館は、クロマグロに続き、黒潮流域に生息するバショウカジキの投入も検討している。
その後、記事は
捏造であるというサイトを見つけた。
当水族館の飼育係です。
実は連日の報道の目的の部分
「イワシに喝を入れるためにマグロ投入」はマスコミの創作です。
最初に記事を見て職員はみんな驚きました。そのような話はしていなかったからです。
もともとこの水槽には20尾くらいのマグロがいましたが、
マグロの飼育は難しくだんだんと減ってきたので追加するというだけの話なのです。
マグロの搬入はほぼ毎年行っています。
これまでイワシが群れから離れることに飼育係が問題視したことはなく、
ましてや危機感を抱いたことは一度もありません。
そこも水族館の面白いところだと考えているからです。
イワシの群れに影響は出るとは思いますが、
食べられることはそうないことはわかっているのでそこに関心はあまりありません。
また、イワシより搬入したマグロの方がビビりな上に
サイズも「60~70cm」と小さいですので影響が出るまで数か月かかると思います。
最初に朝日の記者が創作して、その記事をもとに取材陣が殺到しました。
1社ずつきちんと
「あの記事は創作で、イワシに喝を入れる目的はありません」
と伝えて納得してもらい、その部分も撮影しましたが、
編集で全部カットされていました。
どの記事も嘘と本当がうまいこと混ざっているので性質が悪いです。
昨日共同通信の方にも取材を受けました。
その場では納得してもらえたようですが、果たしてどういう記事になるやら...
いったいどちらが本当なのやら。