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医療報道を斬る

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2013.04.17
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 たとえばビルの屋上から飛び降りようとしている人がいるとしましょう。本人の意思を尊重して自由に飛び降りられるように見守るでしょうか。もちろんそんなことはしません。大騒ぎになって警察官や消防士が駆けつけ、対応に当たることになるでしょう。

 消防士は飛び降りても無事に済むように保護器具の設置をするでしょうし、警察官は説得しながらも隙を突いて飛びかかり、保護しようとするでしょう。それなのに、宗教がらみで輸血を拒否して亡くなったケースが報道されています。どうして宗教が絡むと命を救ってはいけないのでしょうか。

 警察官や消防士は国民の生命と財産を守るという使命を帯びています。たとえ自殺が本人の意志であるとしても、出来る限り生命の保護を優先します。

 医師も患者の生命を守ることにかけては警察官や消防士に負けないだけの倫理観を有しています。それなのに、どうして医師だけは患者の意志に反して助けてはいけないのでしょうか。

「エホバの証人」信者の家族が輸血拒否…死亡
読売新聞 - 2013年04月16日

 青森県立中央病院(青森市)で2011年4月、宗教団体「エホバの証人」の女性信者(当時65歳)の家族が、女性の信仰上の理由で手術中の輸血を拒否し、途中で打ち切られた手術後に、女性が死亡していたことが分かった。

 病院によると、女性は同月28日昼頃に体調が悪化して入院。急性硬膜下血腫と診断され、手術が必要となった。女性自身は意識不明だったため意思表示はなく、女性の息子が輸血拒否を申し出て、書面を提出したという。

 手術中に出血が止まらなくなり、病院側が説得したが、息子は応じなかった。手術は打ち切られ、女性は同日夜に死亡した。

 教団関係者によると、息子は信者ではなく、女性は輸血拒否の意思表示カードを作成していたという。ただ、病院側は入院時は持っていなかったとしている。


 記事に書かれていることが事実だとして、関わった医師達は法的にはかなり微妙な立場にいるのではないかと危惧しています。もちろん実際に法的なトラブルになることはないでしょうが、あえて問題提起のために告発するということもあり得ます。

 今回の事例では、本人の意思は確認できていないようです。たとえ息子といえども、親の生命を奪うかも知れない決定の全権を持っているわけではありません。本人の意思が確認できないままに生命を救う手段を放棄したのであれば、法的にこじれることはありそうです。

 また、大出血をさせなければ死ぬことはなかったわけですから、止血が出来なかったことの原因が稚拙な技術のせいでなかったことを証明できないと、困ったことになりそうです。

 実際に訴訟になることはないでしょうが、輸血を拒否したからといって大出血を容認したわけではありません。止血できなかった過誤を問うことは可能です。急性硬膜下出血の手術の際には輸血が必要なことがほとんどであれば問題ないでしょうが、実際にはそうではありません。ケースバイケースです。後からなら何とでも批判できますから、民事で訴えられたら必ず勝てるとは言えない気がします。

 ものみの塔はかなり大きな宗教団体のようですから、いっそのこと、自分たちの病院を作ればいいのにと思います。私は患者の意志に関係なく、必要があれば輸血をしますので、私のいる病院には来ないでくださいね。匿名のブログで言っても仕方がないですが。





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Last updated  2013.04.17 15:58:59
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