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2013.12.02
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 福島県の農家は農産物を売って生活している。きちんと検査をして安全を確認して売られているにもかかわらず、放射性物質に対する不安からどうしても敬遠されやすい。不安だという人に無理に買えとは言わないが、不安を煽るような行為は慎むべきだろう。

 風評によって福島県産の農作物を敬遠する行為は差別に他ならないと気づいた中学生の作文が内閣総理大臣賞を受賞した。以下はその記事。作文自体はここで読める。(pdf)

全国中学生人権作文コンテスト 古川の大沼君、最優秀賞

 法務省は28日付で、人権問題をテーマにした第33回全国中学生人権作文コンテストの入賞作品を発表した。最優秀の内閣総理大臣賞には大崎市の宮城県古川黎明中3年大沼逸美(いいみ)君(14)=宮城県大崎市=の「それでも僕は桃を買う」が選ばれた。
 大沼君は夏休みの家族旅行中に福島県内で、福島産の桃を欲しいとせがむ子に母親が「駄目」と説き伏せる姿を見た。その出来事から、自分がかつて、中国籍であることを理由に友人から「黙れ、中国人」と差別されたことを思い出したという。
 作文は、見掛けた母親が「だって福島産だよ」と言った言葉と、自分が投げ掛けられた言葉を重ね合わせて差別について考え、差別をなくすことの大切さを訴えた。
 大沼君は「まさか全国で1位とは驚いた。うれしい」と喜ぶ。母子の会話から、自分も福島産のモモに偏見を持っていたことに気付いたという。「よく理解していないのに、偏見や差別はよくない。相手を知る姿勢と思いやる想像力を大切にしよう、と訴えたかった」と笑顔で語った。
 人権作文コンテストには6930校から過去最多の94万1146人が応募。テーマ別では、いじめを題材とした作品が約30%と最多で、戦争・平和や障害者問題をテーマにした作文も目立った。
 東北ではこのほか、横手市十文字中3年斎藤和奏(わかな)さんの「思いやりの心で支えてあげたい」が法務省人権擁護局長賞に選ばれた。

2013年11月28日木曜日 河北新聞社


 良く書けた作文だと思う。特に最後の方は中学生としてはとてもしっかりした考えだと思う。以下にその部分を引用する。

 二十一世紀の今,日本そして世界中のあちこちで,いまだに多くの偏見や差別が残っている。生まれた地域や肌の色,病気,そして,福島原子力発電所のように事故に関係するものなど様々だ。それらの偏見や差別の根本にあるのは,何なのだろう。僕は,警戒心ではないかと思う。よく分からないから,見えないから怖く疎ましく,自分から遠ざけようとする。その気持ちが,偏見や差別を生むのだ。

 では,どうすれば,私達は警戒心をもたず,この世界から,偏見や差別をなくすことができるのだろうか。その鍵は,二つあると僕は考える。一つは,他の人のことをよく知ろうとする姿勢。もう一つは,他の人の気持ちを思いやる想像力。この二つが,未知のものへの警戒心を取り去ってくれる。

 偏見や差別を,この世界からなくすことは本当に難しいかもしれない。けれど
も,二つの国の良さを知っている僕は,相手を知ろうとする姿勢と思いやる想像
力をもち,周囲の人に接していこうと思う。いつかきっと,お互いを慈しみ合う
世界になることを信じて。
 

 この作文が気に入らないと悪意ある発言をしている人たちがいる。たとえばこんなツィートとかこんな掲示板 を見ると、悪意ある発言が満載だ。

 昨今の風潮を見ていると、このように意図的に差別を拡散しようとしている人も多い。福島県は人の住めるような所ではなく、福島産の農産物は毒であるということにしたい人たちや、特定の民族は全員ろくでなしということにして、ヘイトスピーチを続ける人たちが実際にいる。

 そういう人たちにこの中学生の気持ちが通じることはないだろうが、知りもしないで単純に不安に思っている人たちには、まず知ることから始めて欲しいと思う。





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Last updated  2013.12.02 15:33:22
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