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2015.10.04
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カテゴリ:医療
女優の川島なお美氏が54歳という若さでなくなりました。
肝内胆管癌だったということです。
ご本人はもとより、ご家族、ファンの方々はさぞかし無念であったことでしょう。
心中お察し申し上げます。

でも、川島なお美氏を貶めるつもりは更々ないのですが、少々気になることもありました。
2014年03月27日のブログに出てくる「とんでもない医者」と「素晴らしい民間療法」です。

「とんでもない医者」の下りを引用してみます。

そこに至るまでには
とんでもない
医者もいました

「とりあえず
切りましょう」

私「いいえ
良性かもしれないのに
外科手術はイヤです」

「ならば
抗がん剤で
小さくしましょう」

私「悪性と決まってないのに?
仕事が年末まであるので
それもできません」

「ならば
仕事休みやすいように
悪性の診断書を
書いてあげましょう」

は~~???
(病理検査もしてないのに!)

もう
ここには
任せられない!!

すたこらさっさと
逃げてきました


検診で見つかって要検査とされてはいても、自覚的には全く健康な人がいきなり手術を強く薦められれば不信感を抱くのは無理もないことです。でも、医師である私には、この医師の気持ちも分かります。想像に過ぎませんが、以下のような気持ちだったのではないでしょうか。


画像診断からは十中八九肝内胆管癌だな。
顕微鏡で見る組織診断は出来ないから確定診断ではないが、ほぼ間違いないだろう。
手術できても五年生存率は三割台だが、検診による早期発見だから治る可能性はもっと高いかも知れない。
出来るだけ早く手術に持って行くようにしよう。
確定診断が付いていないので仕事を断れないのなら、悪性という診断書を書こう。

想像とは言っても、当たらずといえども遠からずではあると思います。
せっかく患者のためを思って手術を勧めているのに、「とんでもない医者」呼ばわりされてお気の毒です。ブログのコメント欄でもひどい言われようで、読んでいて辛いものがありました。

もちろん患者の立場からしたら簡単に手術に応じられないことは当然で、このことで川島氏を非難するつもりは全くありません。医師には医師の言い分があることを理解して貰いたいだけです。

もう一つの「素晴らしい民間療法」の方ですが、調べてみると「ごしんじょう療法」と言って純金製の棒で体をさする療法のようです。もちろんこんなものに効果があるわけありません。気安めになるならあえて否定することもないのですが、これに頼って手術が遅れたのだとしたら、やはり選択としては間違っていたと思います。手術をするのであれば、見つかったときに直ちに手術していればと悔やまれます。

この選択に関して、川島氏を揶揄するような発言もネット上では見受けられますが、もちろんそのような発言は不当です。溺れる者が藁をも掴むのは当然で、藁を高額で売りつける輩が悪いのです。非難されるべきはインチキ療法を行っている方でしょう。

参考
肝内胆管癌は手術して摘出標本を調べて診断が確定する。
手術以外に有効な治療法がない。
進行が早いので早期の手術が望まれる。





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Last updated  2015.10.04 10:31:35
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