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カテゴリ:映画/エンタメ
『ゼロ時間の謎』、観ました。意味ありげなタイトル。もちろん、アガサ・クリスティ原作『ゼロ時間へ』の映画化作品です。アガサ・クリスティ自身の作品の中ではもちろん、ミステリ小説というジャンルにおいてもかなり異色なこの作品。古くから家に遺る洋館に、莫大な財産を持つ高齢の叔母の号令一下、ワケありの一族が集まって来る。そして、“ゼロ時間”へと向って事態は進み、物語の後半で初めて、殺人事件が起こる…という。曰く、殺人事件とはすべての始まりでしかない。そこがゼロ時間になるワケで、あらゆる前フリや登場人物の抱える背景、心の綾や伏線は、すべてその“ゼロ時間”へと向っていき、“ゼロ時間”を欲望してつながっていくのだ、という、まぁそういう話なのです。
キャストの目玉は、メルヴィル・プポー、キアラ・アストロヤンニあたりか。おっと、超大物ダニエル・ダリューがいた!!数々の作品で印象的な演技を披露してきた彼女、人好きがして、気っ風が良くて、ユーモアもあって知的で、だけど無視することが出来ない絶対的な影響力と財産を持つ独裁者という、殺害される要素満載のキャラクターを貫禄たっぷりに演じていました。ハッキリ言って、ダニエル・ダリューこそが名実共に“ゼロ時間そのもの”で、すべてのディティールが彼女のために役割を果たしている、そういって過言ではないでしょう。 「50年前のミステリ映画の名作」といって、そのまま観ても良いほどに、じっくり作られたクラシカルな作品。静かに、ドラマを味わうことの出来るいい作品でした。(了) ゼロ時間の謎(DVD) ◆20%OFF! ゼロ時間へ ■「旅から、音楽から、映画から、体験から生死が見える。」 著書です:『何のために生き、死ぬの?』(地湧社)。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/02/04 10:32:12 PM
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