バベルの図書館－或る物書きの狂恋夢

　やれ100円パソコンだ、やれウルトラ・モバイルPCだ、やれネットブックだ。厳密には両者には、マイクロソフトとIntelで定めた定義上の違いがあるようですが、ともあれ、気になってはいたのです。長年のMac使いとしては、すでにiBookや、それより前にはG3のPowerBookなどを使用してきた経緯があり、その便利さはよく分かっているのですが、当時はまだまだメイン・マシンとしても十分使用する余地がある、という前提でのノートPCだったように思います。実際、拡張したり外付HDなどを使用すれば、下手なデスクトップより使いまわしも利いたり。
　ところが。もう、Macも価格破壊で、ハイエンド・モデルも結構値が下がっています。私は、、数年前からデスクトップ・マシンはそこそこ性能の良いものを導入し、現状それ以上の付加価値を望んでいないわけで、そうなると、このMacがどんどんステーション化していく。その一方で、仕事ではWindows使いにチェンジし、こちらも使い方の面では頭打ち。ノートPCというカテゴリに、よほどのメリットや新しい使い方が見出せない限りは、あえて手を出すものでもなかったのです。
　ただ、Winベースで、しかも出先などで、テキストデータなどを作っておきたい。そういう思いはいつもありました。一時期、件のiBookを持ち歩いていましたが、画面はそこそこデカいけれど、やっぱり重い。「ここまでは、ノートにはいらないんだよな」。
　じゃ、逆に「何をノートに求めているのか」。プレゼンのために持ち歩いたり、デキるビジネスマンよろしく、メインPC並みに、移動中や会議の合間も惜しんで使い倒すほどのスペックは必要ない。どうやら、昨今のディスプレイ10インチ以下のPCを使うなら、目的と割り切りを明確に自覚することで、かなり必要度、どのマシンにするか、なども決まってきそうです。
　そういうわけで、これまた昨年末からリサーチを続けてきて、店頭でも実機を扱ってみたりしながら、最近導入したのがhp mini 1000。
　DellのInspiron Mini 9とすごく悩んだのですが、結局hp mini 1000の60GBモデルに決定。決め手は、キーボードでした。少なくとも私にはhp mini 1000のキーボードは入力しやすく、Inspiron Mini 9は、ややキーボードが狭い＆小さい。外出先でのネットのブラウジングや、ちょっとしたメールな目的なら、断然Inspiron 9なんですが、やっぱり「ビジネス・ノートよりもタガルダけど、いつでもどこでもしっかり文書作成」という目的を優先すれば、hp mini 1000なのです。それにしても、どちらも 軽い＆薄い!!
　メモリを2Gに増設し、常駐ソフトはなるべくインストールしないで、まさに「紙のノート」を持ち歩く感覚で使えるようメンテしたところ、なかなか快適。横長画面で、表示領域は狭いですけど、まぁ気になりません。バッテリー駆動時間が短いのが難点ですが、やがて6セルバッテリー（現状3セルで、約3時間程度の駆動。ちなみに、悩んだDell Inspiron Mini 9は、4セルですが、駆動時間に大差なし）もリリースされるようなので、そのうちこの問題も解決されるでしょう。
　ちなみにカラーは、フツーに、ブラック選びましたが、ヴィヴィアン・タム仕様はスゴいことになってますね。まぁ、好き嫌いは分かれそうですけど。
　今回、hp mini 1000を使い始めて楽しかったのは、なんといっても、やっぱりカスタマイズ＆メンテナンス。限られたスペックの中で、割り切りつつも有効かつ快適に使うには???このあたり、徹底的に着手したのですが、結果も出て、なにより、このDIY精神をくすぐるパーソナル感が、なんとも久しぶりにメカ好き魂を燃えさせてくれました（笑）。（了）


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■「旅から、音楽から、映画から、体験から生死が見える。」 著書です：『何のために生き、死ぬの？』（地湧社）。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。