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カテゴリ:映画/エンタメ
『パリ、ジュテーム』は、最近観たDVDの中でも出色の作品。作品の性質上(パリ20区のうち18の区を舞台に、1区1監督、約5分間の短編映画18本で構成されたオムニバス作品。第59回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」オープニング作品。監督、俳優ともに有名無名に関わらず豪華・熱演)、感想を簡単にまとめることはできないのですが、好きな作品はアレグザンダー・ペイン監督作品「14区」。関係ないですが、注目していた俳優ルーファス・シーウェルが、「ペール・ラシェーズ墓地」に出てますね(出演作品そのものはそんなにピンと来なかったけど)。
ところで、ヴィンチェンゾ・ナタリが監督し、イライジャ・ウッドが主演している「マドレーヌ界隈」という作品があります(イライジャ・ウッドは、『シン・シティ』といい、こんなの好きなんだなぁ)。ハマー系とは違う意味でオールド・ファッション&コミカルな吸血鬼映画(ちなみに、この作品で吸血鬼を演じているのは、『007/慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコです)ですが、これがなんとも面白かった。 それで、久しぶりに『クイーン・オブ・ヴァンパイア』を引っ張り出して観てしまいました。ホラー・リヴァイバルの時期に、コッポラの『ドラキュラ』や『インタビュー・ウィズ・バンパイア』(今をときめくブラピや、アントニオ・バンデラスがチョイ出演しましたね)、その後も『ヴァン・ヘルシング』、『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』(W・デフォーは『パリ、ジュテーム』にも出てたナ)など、吸血鬼モチーフの映画は多々ありましたが、『クイーン・オブ~』は、なんといっても、実際にはチョイ役ながら存在感たっぷりの故・アリーヤが出演していたり、勝手に応援しているスチュワート・タウンゼントの怪演(この人も、もう少し評価されてもいいけどなぁ。作品にも恵まれないし…)、それに我らがヴァンサン・ペレーズ(どうも竹名直人氏とかぶる瞬間が…)が出ていたり、となかなか話題性はあった作品。ヴァンパイアのレスタトが、復讐と栄光のために、手っ取り早く洗脳の象徴としてのロックスターになって、吸血鬼に呼びかける…という話しで、結局レスタトは何をしたかったのか、最後はよく分からない、単純なのに筋が追えない作品なんですけど、全体を通したトーンや雰囲気は見るべき点があるし、「現代におけるゴシックの解釈」の描写という点では、公開当時としてはほぼ正確ではなかったか、と。要するに“ゴシック・モチーフの大衆化の分析”、ですね。おそらく、作品としては、原作の壮大な世界観を描くには映画では難しかった、ということなのですが、実はこの、「映画で吸血鬼がどう描かれるか」というのはなかなか刺激的なテーマでして、私などは、ヴィンチェンゾ・ナタリの足元にも及ばないながら、スチュワート・タウンゼント演じる倒錯的でカリスマ的なヴァンパイアの艶姿に会うために、この作品を引っ張り出したりするのです。 古今東西、吸血鬼なる存在はどこか、否応なく官能を揺さぶる媚薬のような魔力を持っているのでしょうか(ある人はゾンビだったりするようですが、これはちょっと違うのかな)。(了) 【最大半額決算セール!】 パリ、ジュテーム プレミアム・エディション(DVD) ◆25%OFF! クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア 特別版(期間限定)(DVD) ◆20%OFF! ■「旅から、音楽から、映画から、体験から生死が見える。」 著書です:『何のために生き、死ぬの?』(地湧社)。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/02/23 11:53:14 PM
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