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バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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カテゴリ:映画/エンタメ
 『レッドクリフpart2』、盛り上がってますね。part1の鑑賞日記は過去に書きましたけど、やっぱり完結まで観ないとダメでしょう。公開から順調に観客動員数も伸ばしているようで、メディアもバンバン追い風煽ってますけど。
 先日テレビでpart1を観直しながら、なんとなく思ったこと。『レッドクリフ』にしても、やっぱり“純然たる三国志映画”とは呼べず、かつ古今未だ、その名にふさわしい映画というのは実は作られていないなぁ、と。結局、『レッドクリフ』で描かれるのは、三国志の中の飽くまでハイライトの一つでしかなく、それこそ一族三代くらいにまでまたがる長い歴史の大きな渦の中に、風雲を巻き起こし、翻弄され、暴れ、舞う群像劇を描くのは、到底雲をもつかむような話でして。さらには、三国志という作品は、どの国の視点に立つかによって史観も大きく変わるでしょうから、最低でも三種類作らないと公平な描き方にはならないのかもしれません(三国志演義の映画化ならばそこまでは必要ないですけれど)。
 そしてやはり、少なくともわが国の三国志のイメージは、きわめてエンタテインメント的センスが高く、単純に映画化を考えた場合、本国の添えrを上回るのではないかと勝手に思い込んでいるのです。それが万国にウケるかは別として、少なくとも日本人の三国志への審美眼を抜いて“三国志映画”を作り上げることは難しいのではないか、と。
 そこで勝手に提案。タイトル、『三国志』。原作、横山光輝。美術、川本喜八郎。監修、KOEI。キャストは、アジア圏のイケメンからいぶし銀の名優まで総動員。言語は中国語。肝心の部分が故人ですけど、やっぱり功績は大きすぎる。KOEIもはずせないのでは(笑)。
 とまぁ、くだらない妄想を膨らませたりしますけど、もしそのような作品を作っても、予算とキャストの総動員ばかりが目立つ、大作という名の冗漫な駄作が生まれる余計な心配もあるわけで。かように、三国志とは、中国が生んだ“迂闊に食えない一大モンスター”なのであります。(了)


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「旅から、音楽から、映画から、体験から生死が見える。」 著書です:『何のために生き、死ぬの?』(地湧社)。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。





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Last updated  2009/04/26 12:24:36 AM
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