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バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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 スパナチュ祭も春から縁起がいいや。ってんで今回は第13話『アフター・スクール・スペシャル』、第14話『セイレーンの呪い』を。
 アフター・スクール・スペシャル。必殺技の名前じゃないですよ。出ました定番、学園モノ。しかし学園モノって何で手放しに怖いんでしょう(侍戦隊シンケンジャー第三十幕『操学園』しかり…)?やっぱる学校って、コワイですよ。だって、マグマが渦巻いてる場所ですから。噴火寸前のスポットでしょう?紋切り型には言えませんが、一面だけを見れば職業倫理として機能するフタと、リビドーから噴火を欲望するマグマが、学校制度という理性で構成する場ですから、当然そこはある意味凄惨な場所でもあるわけです。子供と言うのは、ある時期残酷を通り越して、残忍ですしね。ま、仕方のないことで、これも成長過程なんですけど。青さですね。
 さて。のっけから、イジメです。流転生活を余儀なくされたウィンチェスター兄弟が一時期在籍してたトルーマン高校で、生徒による殺人事件が発生。例が憑依した(?)女生徒、ちょっとチャッキー君みたいです(苦笑)。
 背伸びがしたい強がりで反抗期のディーンと、多感な思春期にさしかかったサム。二人がここで過ごした時期は短かったけれど、それぞれに忘れがたい思い出があるらしく…。
 それぞれ職員、体育の鬼コーチ(!)に扮して学校に潜入した兄弟、成果なしかと思った矢先、悲鳴に駆けつけた兄弟の目の前で、いじめられっ子が、突如豹変していじめっ子の手をミキサーにかける惨事が!!いじめられっ子の怨念を疑うディーンとサムは、在校生や卒業生にいじめによる自殺者がいないか調べるが、そこに浮き上がったのは、かつて転校生だったサムに心を開いてくれた心優しいいじめられっ子バリーの名だった。回想シーン…。
 っと、この第13話は、たびたびウィンチェスター兄弟の高校生時代の回想シーンに戻りますが、今更ながらディーンとサムの“ビギンズ”っぽいエピソードが見え隠れして面白いです。
 バリーが死んだのは、サムがさらに転校した後のこと。あの日あのときあの一言がよみがえる。なぜ?バリーの怨念が人をして殺人にいたらしめるなら、骨を燃やすより他にない。断腸の思いで、かつての友人の骨を焼きおセンチになるサム。
 一抹の寂しさの中にも一息…と思いきや、霊が憑依した女生徒に、サムが襲撃を受ける。まさか!?霊は退治されていなかった!!ならばほかにどんな理由が???
 実はこの霊、バリーの霊ではなく、むしろバリーをいじめていたクラスメート・ダークの霊だった。何故…。またも苦い思い出が蘇える。バリーをかばおうと、我慢の限界を超えてしまった小さなサムが、公衆の面前で見るからにガタイのいいいじめっ子ダークを打ち負かす。以来ダークは、いじめっ子からいじめられっ子へ。存命のダークの父親にコンタクトを取り、ダークの素行にも家庭の事情があったことなどを知る。そしてダークは、成人を向かえる前に、ドラッグにハマって命を失ったという。
 まさかダークの未練が悪霊になっていたなんて!!スクールバスを舞台に、兄弟の苦い思い出とともに悪霊を祓う決戦の時は来た…というのが第13話。
 なかなか切ないお話です。こういう展開だから、学園モノって、やっぱり後味が悪いし怖い。ハンター稼業を家業として継ぐことを宿命付けられたサムが、進路に悩んでいたとき、アドバイスをくれた先生とのさりげないけどあたたかい思い出話が散りばめられていたり、ディーンの教育観がわかる「ロビン・ウィリアムズ系熱血教師批判」が聞けたり、本筋とはかけ離れていてもなかなか味わい深い一話。ラストはなんとも甘酸っぱい、ディーンにとっては若さの敗北の場面。ここでやっぱり、私としてはボーイズ・2・メンの“It's So Hard To Say Goodbye To Yesterday”あたりがほんのりじんわり懐かしく流れて欲しいところですが、ま、基本ロックな番組ですから。ないですね(笑)。
 一方第14話『セイレーンの呪い』は…まぁ、広義で“オトナのスパナチュ”ですかね(苦笑)。仲睦まじい夫婦。夫が突如、妻を撲殺する。すっかり定番、FBIに扮したディーンとサムが聞き込みをするも、殺した当の本人が、罪も、妻への愛も完全に認めつつ、理不尽にムラムラきて殺害してしまったことを供述。
 事件を担当する女医キャラによれば、それは恋をしたり、性的な興奮時に分泌されるホルモンが関係していると事。なにせ、真面目な男たちは皆一様に、“運命の女性”とお出会い、そしてその甘い囁きに抗いきれず、殺人の罪を犯してしまっている始末。その“運命の女性”の出没スポットはストリップクラブ。目の保養以外に収穫ない兄弟にボビーは、セイレーンの仕業を示唆し警告する(あ、セイレーンってサイレンの語原じゃん。警告か…うまく落ちたね、我ながら。はは)。
 解決への糸口がつかみきれぬうちに、次なる事件が。母思いの若者が、“運命の女性”のためにその母を殺した現場から採取した血液をキャラに分析依頼にいくと、これまたお約束、本物のFBI捜査官ニックと鉢合わせ。ボビーが料理しながら、偽FBI兄弟の上司になりすますシーンは最高に痛快ですね。意外とフライパンさばき、上手だね、ボビー!!
 事件の影響か、恋のホルモンにあてられたサムは、いい訳つけて、ディーンとニックをクラブの張り込みに行かせ、自分はキャラといいムードに。なんせセイレーンの誘いにかかると、事態がおかしいことにも気付かないってなわけだから、こりゃもう完全にキャラがセイレーンだね…と思わせて、意外や意外、セイレーンって変幻自在。だから男に化けちゃうんだなぁ。
 女っ気なし、車で野郎と張り込み…も、話の合うヤツが相手ならまんざらでもない、と暢気なディーン、「オレは安パイだろ」状態も、実はこのニックがセイレーンだったから大変。今さっき、ウィスキー回し飲みしちゃったよ~。唾液で呪いにかかりました。ディーン、不名誉。
 完全ノーガードなサム、呪いに掛かったディーンの襲撃に応じきれぬまま、サムもまた呪いの奴隷となり、セイレーンの言うがままに、ディーンとサムは互いに憎悪丸出しで、歯に衣着せぬ本気対決へ。そこへボビーが間に合った!!ナイス。というか、おいしいな、アンタ。
 「あれは、その…つまり呪いのせいだ」。日頃の不満や互いが秘めた本音の言い訳には困らないシチュエーションも、なぜか適度にリアルなののしり合いが、微妙に尾を引くウィンチェスター兄弟、明日は何処へ行く…っとここまでが14話でした。
 天使と悪魔の攻防から一転。でも、それぞれになかなかに良質なエピソードでした。でも次は…やっぱり本筋の展開を観たいです。いやぁ、年始早々何やってんだろ???(了)


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Last updated  2010/01/14 11:01:27 PM
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