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テーマ:おすすめ映画(4070)
カテゴリ:映画/エンタメ
しばらく更新も空いてしまいましたし、その間観たDVDや、今年に入って読んで書評を上げようと思っていた本なども、もうカバーできないくらいになっているので、ピックアップして一部更新していこうかと思っています。DVDについては、比較的新しいものをチョイス。いつものように細かく書くには「昔の話」になってしまっている作品は、寸評で対決方式にしてアップすることにしました。ま、二回、四本分だけなんですけどね。
さて、映画対決一発目は邦画VS邦画。しかもすごいセレクション。ある意味濃いお二人の主演作品@竹中直人&堺雅人両氏。 さて、竹中直人&堺雅人両氏。出演作品や活動にむちゃくちゃ詳しいわけではないのですが、なんか気になる。“食わず好物”みたいなお二人で、好きなんですよ。なんかもう、存在しているだけでズルい、そういう個性をお持ちです。 肝心の作品対決。結果は、『クヒオ大佐』の圧勝。コアなファン以外はあまり知らない作品なのかもしれませんが、これは面白い。実在した“自称米軍特殊部隊ジェットパイロット、36歳アメリカ人、父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の双子の妹”ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐。もうそれだけで十分怪しい経歴をお持ちですが、当然のごとく結婚詐欺師です。 たいていの女性はこんな怪しい詐欺師にはまず騙されませんが、登場する三人の女性はそれぞれの形で騙されたり、騙されたふりをしたり、騙されたい願望に駆られます。そういう、単純に事実関係がどうこう、というレベルを超えた魅力を持っているんでしょうね、このクヒオ大佐。パイロットに憧れる詐欺師のトラウマも挿入されていきますが、ここは、この稀有なキャラクターの、入魂と脱力の絶妙なブレンドが織りなす、人間模様を追うだけで十分、味わい深いでしょう。堺氏の、あのズルい表情と、“詐欺師になりきる”という、嘘のマトリョーシカのような演技に、最後まで魅了されっぱなしです。松雪泰子氏の翳のある演技も、おかしくてやがて哀しく、目下大注目の満島ひかり氏のやけっぱち演技もまたクヒオ大佐の勢いのなさと対照的でした。 一方、今回は惨敗した『山形スクリーム』。こちら、面白くないワケじゃない。だけど、なんかメリハリがないというか、一発パンチ欲しかったなぁ。プロットは面白いのに、なんか、無理に面白くしすぎようとしていて、散漫になってしまって。たとえば、舞台である架空の村・御釈ヶ部村(おしゃかべむら)なんて、名前だけで笑えるんですけど…。村起こしを建前に野望を抱く村長など、適度にメッセージ性もあったり、“スクリーム”と名を冠するからには、名画のパロディやオマージュもしっかり盛り込まれていたり。キャストも、妙に贅沢だったりするのに、なんか「惜しい」とこぼさずにいられない。ある意味、散りばめられた小ネタが濃すぎるのかなぁ。登場人物も過剰にカリカチュアライズされていたりするので、全部がゾンビで、全部がフツーに見えてしまう。シュールという意味では、竹中氏独特の世界をストレートにぶつけてきた感はあるのだけど…。 成海璃子、AKIRA(EXILE)、沢村一樹はじめ話題性ある主役、達者な脇役をそろえていながら、“若手の女性キャストの竹中流イメージビデオ”のように見えてしまうのは、“スクリームのパロディは邦画では成立しない”という一つの回答なのでしょうか。(了) 『クヒオ大佐』(DVD) ◆20%OFF! 『山形スクリーム』(DVD) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/06/21 05:02:45 PM
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