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バベルの図書館-或る物書きの狂恋夢

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カテゴリ:アート
 ちょうど付近で仕事があったので、ランチの合間に立ち寄りました『室町三井家の名品 卯花墻と箱根松の茶屋』@三井記念美術館。もう、ほぼ最終日でしたよ。
 そもそも室町三井家とは、三井十一家のうちの一家で、京都・室町に居を構えていたことから「室町家」と呼ばれていたそうです。近代では、当主・高保(創業者・三井高利の四男を祖とする)が、稀代の数寄者として、その審美眼・文化人ぶりを発揮したとされています。
 ちなみに「箱根松の茶屋」と展覧会名についているのは、高保氏の孫にあたる高大氏が、昭和の時代、箱根湯本の数寄屋で「松の茶屋」と呼ばれる完全プロデュースが施された文化人のための宿を開き、祖父譲りの小堀遠州流の茶の湯に興じていたことから。いやぁ、何という贅沢。
 今回の展示は茶道具!茶道具!!茶道具!!!茶道具が集められるようになったのは、比較的近代に入ってからのことだそうですが、とにかくものすごいラインナップ。武士の時代の終焉をも、また象徴していますね。
 “三色紙”と呼ばれる「升色紙」「継色紙」「寸松庵色紙」をはじめ、重要文化の財黒楽茶碗「俊寛」(長次郎作!)、そして目玉の国宝「卯花墻」が!!
 木綿豆腐のような、なんとも言えないあのマチエール、どの角度から眺めてもうっとりとしてしまう、ほわんっとした景色。絶景、絶景。野趣と優美さ。天衣無縫とはこういう絶妙な、そしてあたかも偶発的な調和を指すのでしょうか。小堀遠州を愛した家系にふさわしく縁ある品々がたくさん。飴色になった「二見」、迷いのないシルエットも素敵。
 終了間近だから入れ替えで鑑賞できた「古今和歌集 下帖」はなんと平安時代の貴重な国宝。こんなサプライズも、三井記念美術館ならではです。
しかし…。うん、やっぱり、小堀遠州の奇麗さび、自然と、肩肘張らずに入り込めるんだよなぁ。(了)





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Last updated  2011/02/02 06:06:36 PM
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