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カテゴリ:アート
大好きなトゥールーズ=ロートレックの特別展@三菱壱号館美術館、行ってきました。19世紀パリ。貴族の子として生まれたロートレック。彼の芸術に対するスタンスを考えるとき、アートシーンの中心がアメリカへと移行する前夜、やがてそれが経済性を無視できない「市場」に変貌する瞬間。きわめて特殊な立ち回りを演じたという点を無視できません。その立ち回りの妙、柔軟な作家人生は、ある意味で、貴族が貴族としてその良い部分を活かしながら生きられた最後の時代をも体現しているかも知れません。今の世の中、帰属的な生き方なんて、「利点」ならばあまりありませんから。
ロートレック後期の作品はまた、広告デザイン揺籃期の実験的要素の宝庫という点からも、その意匠センスや洒脱なデザイニングのワザに注目せざるを得ないのです。 商業デザインがアートとして成立したのは、一方では、ベル・エポックという時代がなし得たことだと思いますし、他方では、やはりこれまたロートレックの、“菩薩牛”の如き純朴さ、素直さ、清廉さがあってこそ、嫌味なく醸成されていったのだと考えます。 ところで、丸の内のここ一帯はブリックスクウェアと呼ばれているそうで(今さらですが)、何といっても、おやつ時には、エシレからいい薫りが漂ってきます。エシレと言えば、はじめてフランスを訪れたとき、エシレの無塩バターの美味しさに感動して、パリの市場で搭乗手続きギリギリに購入して積載し、上空の冷気でガンガンに冷やして日本に持ち帰ったことを思い出しました。当然、この日もフィナンシェをかじりつつ、ベンチでゆったりとした師走のひと時を過ごしました(w)。(了) ロートレック『ディヴァン・ジャポン』 エシレ発酵バター(無塩)250g_ エシレバター100% 北新地パウンドケーキ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/12/28 01:44:11 AM
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