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tkokon

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2007/05/16
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カテゴリ:カテゴリ未分類

前回の続きです…。


歴史人口学の本を読んで、現在の少子化問題について感じたこと。

ということで、

過去の人口増加時期の条件と比べると、

■現在は、「次世代(子供・孫の世代)に幸福を引き継ぐ力」が圧倒的に足りない

■現在は、子供を産む・育てる ということに対する、家族・コミュニティーの役割分担が、確立していない(もしくは、現在の生産システムに合致していない)

ということで、前回は「次世代(子供・孫の世代)に幸福を引き継ぐ力」が圧倒的に足りない

ということについて書きました。

今回は、


■子供を産む・育てる ということに対する、家族・コミュニティーの役割分担が現在の生産システムに合致していない
ということについて。

江戸時代の家族・コミュニティーの役割分担と比べた現代の変化で、一番すばらしいことは、
「女性(特に母親)」に「出産・育児以外のことに、時間を使うという選択肢が出来た」ということだと思います。
しかし、一方で「出産・育児」を社会の中で誰が引き受けるのか、ということが不明確なまま、女性の選択肢が増えたので、「女性の社会進出」が「社会全体で見て、出産・育児の役割を引き受ける人の不足」を起こし、それが少子化の原因の一つとなっていると思います。

つまり、選択肢が増えたといっても、現実的には「生産システム(=社会)において、貢献する」ということと「たくさんの子供を出産し、育てる」ということを両立することが相変わらず極めて難しい、ということがあります。なので、「仕事をしながら、子供を3人・4人産む」ということが「女性にとっての選択肢の一つ」ではなく、「周囲に迷惑をかけて自分が好きなことをするわがまま」である、という意識が、周囲にとっても本人にとっても強く残ってしまいます。



で、これも前回と同様「解決策」というよりも「こうならなければ解決しない」という要素を挙げると、

●企業側で、女性の出産・育児を支援するシステムの充実
(これは重要ですが、いろいろなところで議論されていることなので、詳細は割愛します)


●親以外の、「子供を育てる」役割・機能の充実
(「自分が時間を使えない場合の代替案(例えば、保育園やベビーシッターなど)」の整備、
ということで、これも前回書いた内容の繰り返しになりますので割愛します)


●「社会で一人前になる年齢」を早める
現在の社会で「最前線で価値を生み出す(=仕事をする)」ために、一人の人が一人前になるまでの時間が長すぎるのではないか?と感じます。 例えば、大学を出て、就職して、仕事を覚えるのに5年かかれば、それだけで「社会で一人前」になるには、27歳とか28歳になります。ここから家庭を持ち、子供を産み…となると、ここから3人、4人と子供を産むことは、現実的なオプションとはなりづらいでしょう。(医学的にも、28歳から3人・4人の子供を授かるというのはまだまだ難しいようです)

膨大な教育投資を受けて20代後半に「一人前」になる、という以外の「幸せ」のロールモデルが必要だし、今後出てくるのではないかと思います。 (例えば、インターンなどの形で、社会に触れる年齢を早めるとか、 社会人教育の選択肢を増やし「教育を受ける」ことと「社会で生産する」ことの行き来の自由度が増すとか、ということが今後進むでしょうし、進まなければならないと思います)







…書き出すと随分と、書きたい内容が増えて、その割には中途半端なまとめになってしまいました。

最後に一つ、感じたことを。


人口が増加している時代には、『勝ち組・負け組』という概念はなかったんだろうな、と思いました。
『勝ち組・負け組』という言葉は、そもそも「限られたパイを、人間同士が取り合う」という発想が根底にある気がします。
当然「パイを取りっぱぐれた人」は、幸せになれないし、自分の子供がパイを取れるかどうかわからない、となったら「子供を産もう・増やそう」という発想にならないのは当然です。「勝ち組・負け組」と言っているうちは、少子化問題は解決しないでしょう。


アルビン・トフラーの「第4の波」とか、前の総理の「IT革命」でもないですが、「工業化」の次の生産システムが、「あ、こんな形で社会と関わっていければ、自分もちゃんと社会に価値を提供できるし、自分の子供にも幸せを引き継げるな(子供も間違えなく幸せになれるな)」というところまで来ないと、人口増加を期待するのは難しいのだな、と感じました。

そういう「自分の子供に引き継ぐことが可能な生産システム」が出来れば、
「それに合致した教育システム(膨大にお金と時間をかけずに社会に出られるような)」もできるでしょうし、
「それに応じた子育ての考え方(限られた子供に膨大な時間・お金をかけて育てなくても子供が幸せになれるような、社会的機能が整備されるとか)」となっていくでしょうし、
そうなると、家族・コミュニティーの中で「子供を産む・育てる」ことの新しい役割分担も固まってるのかな、と感じました。


でも今の「第4の波」「IT革命」にそのような力があるのか、というと残念ながらそうは感じません。
もう一ひねり、生産革命があるんでしょうね。それがどんなものか、想像もつきませんが。。。







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Last updated  2007/05/16 10:23:32 PM
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