カテゴリ:本
命短し恋せよ乙女 あかき唇あせぬまに 劇団文化座公演「あかきくちびるあせぬまに」の劇中歌ゴンドラの歌を聞きながら 私は亡き母を思い出していた。 歌好きな母がよく歌っていた歌の一つでとても懐かしく母の声が蘇って聞こえた。 口紅一本手に入らなかった戦時中、その一本の口紅に寄せた思いが胸に響く劇だった (私は貧血気味のため、唇に色がない。口紅をつけないと病人のようなので口紅が大切なのがよくわかる) 細身だと思っていた佐々木愛が ちょっと小太りの熟女になっておきゃんな演技が可愛いかった。 両親の結婚記念日の直前の観劇でもあり、 劇の内容とも相まって涙がこぼれた。 母の影 私が幼い頃、母(輝子)はなぜか家を出ていた。強烈な個性を発散する父(斎藤茂吉)との生活のなかで、母と過ごした海辺のひと夏は幼年期の黄金の刻だった。やがて、戦争、空襲、疎開、そして戦後の混乱と茂吉の死…。生涯、自分流の生き方をつらぬき、後年は世界を飛びあるいて“痛快婆さま”と呼ばれた母と家族を、回想と追憶のなかに、抒情的かつユーモラスに描く自伝的小説。 この本は、確かに自伝的小説だ。 奔放な遊びから茂吉の逆鱗に触れ家を出されていた母の影を慕った北杜夫 癇癪もちで恐ろしかった父の歌を知り文学へ目覚めていく北杜夫。 輝子については色々な本に書かれ、今までにも読んで知ってはいるつもりだけれど この本は北杜夫が自分の成長の中で彼女がどのように存在していたかがわかる 素晴らしい女性だったのだなあ!と。 東京が焼け野原になり、茂吉の病院も何もかも燃え尽きたけれど 戦後茂吉を置いていち早く戻り、生活を始め拠点を築いた逞しさ ただの奔放なお嬢様ではない生活していく力を持った輝子が描かれている。 そして茂吉への愛も。 両親の結婚記念日に感謝
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