「羊と鋼の森」と「暗幕のゲルニカ」
寝つきが悪い私は毎夜本を読みながら眠りにつく。途中目覚めたときにも本を読む。夫は寝つきが良いのだけれど私のベッドのライトが眩しいといい、いくつかスタンドなど変えてみた。それでもダメじゃあ、間にカーテンを吊るしましょうか?衝立を置きましょうか?とりあえず、夫が腰が痛いときにベッドに置いて使っていたパネルをベッドの間に立ててみると何とピッタリ。眩しくもないし圧迫感もない淡いグリーン基調の布を袋状にしてパネルに被せると雰囲気も良くなりめでたしめでたし最近そんな眠れぬ夜に読んでいた本の中で面白かった本2冊羊と鋼の森羊と鋼の森 / 宮下奈都羊の毛と鋼と森の木でできているピアノ学校を訪れた調律師に魅せられてひたすら真面目に調律師の道を歩む主人公雪が多く寒さが厳しい田舎で、森があって羊がいて・・・というと私の故郷近辺を思い浮かべる北海道の人なら多くがそうかもしれない。その感性豊かな新米調律師と周りの人々の物語 大きな衝撃的なできごとが綴られているわけではないけれど次々とページをめくりたくなる魅力があった。読み終わった時に優しい満たされた気持ちになる本暗幕のゲルニカ暗幕のゲルニカ / 原田マハピカソが描いたゲルニカ多くの人が知っている絵ピカソは何のためにどんな思いでこの絵を描いたのかスペインの街ゲルニカがドイツ軍によって空爆され壊滅した時戦争への怒りを戦争の愚かさを絵に描き表したこの本は史実に基づいたフィックションであり大戦前夜のパリと現代の9・11後のニューヨーク、スペインが交錯するスリリングな小説ピカソの反戦の思いを強く感じる本。壮大な美術ドラマ・・・原田マハはすごくよく調べて書いたのだと思う20世紀パートの登場人物は架空の人物二人を除きすべてが実在の人物21世紀パートは全員が架空の人物と最後に書いてありましたが読んでいるときには不自然な感じが一つもしなかった。もう少し滑らかな筆の運びだったらもっと良かったのにと思うけれど。読み終わった後、実際にはどうだったのだろうと調べてみるとピカソがゲルニカを描いた事情やゲルニカがニューヨークに長く置かれてその後スペインに返されたことピカソをめぐる女たちのことなどなど事実だった。スペインのマドリードのレイナ・ソフィア芸術センターに展示されているゲルニカぜひ観に行きたい。