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2006.06.05
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テーマ:ニュース(100231)
カテゴリ:時事
夕方TVを見ましたが、放送は端折ってあるようで残念でした。

ともあれ、興味深かったのが、おそらく終了間際の「金儲けして何が悪いのか」、「投資家のために頑張って働いてきたのになぜ嫌われるのか」などという趣旨の発言でした。

金儲けは悪ではないし、これだけの運用実績を挙げた村上氏はすごく優秀な投資家だ、ということは異論がありませんが、問題は、この人が自分(+顧客の投資家?)の利益だけを近視眼的に追求したことです。

群を抜いた実績を挙げたために世界中から資金が集まり、一国の経済の中で無視できない影響力を持ってしまったのに、その行動からも言動からも、自分の利益を最優先するのが当然でとばっちりを受ける人のことなど関知しない、というスタンスは明らかでした。

経済学のお話の中で言えば、資本主義社会の中では利潤追求は経済活動の至上目的ですが、個々のプレーヤーが全体に影響を及ぼすほど大きくなってしまえば、もともと不完全な「神の見えざる手」はさらに機能しなくなります。彼の持っていた影響力は、なんだかシステム崩壊の危機すら予感させるものでした。


また、世論が逆風に向かうきっかけとなったのが、阪神タイガース問題です。日本のプロ野球が経営努力で独立採算で自立できるか、またそうするべきかどうかという議論を脇において裏を返すと、少なくとも日本のプロ野球は発足した1930年代からこれまで、連綿と企業が資金投入してきている、ということになります。

で、球団を保有すると毎年膨大なお金がかかり、企業側の財務諸表にはその分の出費は計上されます。一方、最大のメリットとされる宣伝効果は、貢献金額をきっちり計算することは不可能なので、財務諸表上で効果を明示することができません。

村上氏は、企業が明示的にマイナス要因でしかないこういう状態の球団を保有しているというのは、株主利益に反すると考えており、実際これを否定するのは困難です。

でも、彼が考えるべきなのは、そんな金銭的には「お荷物」でしかない球団に、なぜこれまで多くの企業がお金をつぎ込み続けてきたのか、ということです。

金や利益は企業活動だけではなく個々人の行動を決める大きな要因ですが、金を唯一絶対の基準としてしまっている時点で、顧客は増えても友人はアウトではないでしょうか。








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最終更新日  2006.06.05 23:12:36
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