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カテゴリ:体調管理
以前、同病の若い患者さんの職場に関する悩みを聞いたことがあります。
私と同様自宅療養で、月ごとに診断書が出て職場に提出してずるずると休みが延びていきます。 彼女は、診断書を提出してすぐに、人事担当者の家庭訪問を受け、それが非常にストレスになった、と話していました。 非常によく聞く話で、たいていの方が、自分が疑われていると思ってナーバスになりますが、実はこれ、単に人事がマニュアルどおりの対応をしているだけだったりします。 身近なサボタージュの例としては、タコ部屋(政策立案や法律改正などの単発で膨大な業務のため、一時的に人を集めて集中的に働かせるところをギョーカイ(笑)ではこう呼びます)勤務が嫌になり、同僚達が休暇もとれず毎晩遅くまで働いている中、医者から適当な診断書を取って休み、その間彼女と海外旅行していたという前科持ちが以前の部下にいました。 こんなことがあれば職場のモラルにかかわるので、管理者や人事は対策を考えます。医者が診断書を書いた以上最終的にはどうしようもないんですが、休みに入ってしばらくしてから呼び出しあるいは家庭訪問をすることにより、少なくとも当人がどこかへ遊びに行っていないかどうか確認ができますし、顔を合わせることで得られる情報は結構たくさんあります。たぶん以前の部下もこれで自宅にいなかったことがばれたんでしょう。 直接出向かなくても、書留を送るのもフォローアップとして有効な確認手段になります。一週間不在であれば差出人に戻ってしまうので、少なくともそれ以上の期間自宅にいないことがわかるわけです。 モラルハザードに悩んだことのある、ある程度以上の規模を持つ組織であれば、そのへんの辺りは基本的な手順としてマニュアル化することが多いです。 で、マニュアル化するならば、管理側としては、この人は怪しそうだから確認するし、この人はそういう人じゃないからやらない、というわけにはいきませんよね。人によって対応を変えていて、チェックを受けた人間から、なぜ自分だけと尋ねられたときに答えることができなくなりますから。 一方、チェックを受ける側はなかなかそこまでは思い及ばず、体調不良も相まって不安、怒り、恐れなどの感情に押し流されることになります。チェックする側がその辺を理解して一言手続きの一環だからと言ってあげるだけで精神的負担が軽減されるのにと思うものの、まあ元気な人にそんな病人の気持ちは想像がつかないのもわかるので、仕事を持つ病人が少しでも気が楽になるようこんな話をここに書くことにしました。 世の中にはどうにもならないことがあり、それについて知っていても知らなくても結果はかわらなかったりはする場合が多いんですが、たとえ結果を変えられなくても知らないよりは知っていた方が精神的疲弊度がかなり違います。 チェックを受ける側は、チェックを回避できませんが、それがなぜ行われるかを知っていれば疑心暗鬼に駆られにくくなり、逆に管理者や人事側に自分の病気のことやこの先の見通し(あるいは見通しが立ちにくい理由)などをしっかり説明し、雇用関係の継続や手続き・給与や手当てなど、こちら側が必要な情報を得るためのいい機会と捉え、最大限利用することができます。 「疑い深い」職場におり、休みが長期に及ぶなら、例えば実家に帰ったり、親戚のところに一時身をよせたり、治療などで長期に自宅を離れる場合、あとで痛くもない腹をさぐられて嫌な思いをしたくないなら、事前にまっとうな理由を添えて職場に居所明示しておくのも有効です。 私の場合そこまではやりませんが、そもそも外出も外泊も体に負担がかかるので、法事や気晴らしの温泉に出かけることはあっても三日と自宅を空けたことはありません。行きたいところは国外も含めて山ほどあるのですが・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.07.30 14:09:32
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