とっち家の韓国ごはん

光州から小１時間ほど行った
谷城（コクソン）という小さなまちの合唱団の定期演奏会に
客演としてギター演奏してきました。

本来、我が師が出演することになっていたのですが
突然「代わりにでて」とのご達しが..

なんでも中曽根元首相とお友達（？）の
すんごいお金持ちの韓国人書家の方
（わが師と同郷で、かわいがってもらってるらしい）の
展覧会が東京で行われるとかで、それについて行く
（費用はその書家持ちで連れて行ってもらえる）ことになったのだとか。
結局遊びに行くんじゃん...

あの..普通演奏会でられなくなったら断りません？
それに突然言われても練習しておいた曲も特にないし...

師曰く
「あ、禁じられた遊びとアルハンブラでいいよ。
　もうひとつなんか適当に。簡単なやつでいいから。
　どうせ田舎だしクラシックなんてわかる人いないからさ、
　あっはっは。」

この異様な明るさといいかげんさと強引さ...
つくづく、ドラマ「のだめカンタービレ」の
竹中直人扮するマエストロ、シュトレーゼマンのようだなあと思う。

「チアーキ、オネガーイネ」ってなノリ..

（もっともうちの師匠は女好きではなく、酒好きなのだけれど..）

それでもこんな師匠からもきっと学ぶことはあるのだ。(強い希望）

まあ、こういう「突然、強引、適当」は今に始まったことでもなく、
今年はコンクールもでないし、演奏する機会が与えられたんだと
前向きに考えることにして...

それにそういえばギャラいただいて演奏するなんて初めてだわ...
これが私のギタリストデビューになるのね


さて当日、

パパはマネージャーするといって授業休んでまで
どこからかビデオカメラを借りてきて
カメラマン兼運転手兼荷物持ち。
私がギターで食べていけるくらいになったら
マネージャー業に専念したいらしい＾＾
（もともとシャッターマン志望＾＾）

＊シャッターマン　：妻が働く薬局や店のシャッターを開けたり閉めたりすることだけを仕事とする人。髪結いの亭主（？）


谷城についてみると道路わきにかかっている
合唱団定期演奏会とかかれた横断幕には
私の顔写真や名前まで入っていて恥ずかしいことこのうえない。
そしてあちこちに貼ってあるポスターも同様。

でも去年撮った思いっきりおめめきらきら修正写真でよかったわ。
誰もあの写真がこの人だとは思わないよね

会場につくと合唱団の団長さんが
指揮者さんを紹介してくれたのだけど
（指揮者さんとは電話やメールで何度か連絡しているし、
　もちろんこっちの写真も見てるはず）
表情が「どちらさんですか？？」って顔。
やっぱあの写真は詐欺だよな...


プログラムを見ると
他の客演であるバイオリニストはドイツ留学経験者＆大学教授だし
指揮者だって声楽と指揮で留学＆大学教授。
大学ピアノ科卒の伴奏者...
そんなそうそうたるメンバーに混じって
素人の私がでるのは場違いのような...

そんな心配もリハーサルで吹き飛んでしまいました。
バイオリンとピアノ、初めて合わせたらしくぜ～んぜんあってないし
もう１組の客演の夫婦デュエットもカラオケ大会といった感じ。
ああ、軽い気持ちで演奏していいのね。

本番ではさらに安心＾＾

会場の郡民会館というところは５００人は入りそうなホールだけど
お客さんはせいぜい２００人弱。
演奏中は会場はざわざわしてるし、子どもは走り回ってるし
誰も聞いてないでしょ？間違えたって気付かないよね。
音響もマイクエフェクトもがんがんに効かせてくれ
サービス満点＾＾

ということで勝手に自分の演奏を楽しんできました＾＾


この演奏会、郡長さんやら議員さんらしき人やらまでいらしてたり
入場料無料のうえ、帰りにはもちとジュースのおみやげまで
もらえたり...
（来週の声楽のコンサートでは米をくれるらしい）

演奏会後のレセプションではのりまきやらもちやら果物やらの
簡単な食べ物やらお酒やらが用意されていて
関係者でなくても勝手に食べたり飲んだりできる。

これは演奏会ってゆうか村のチャンチ（宴会）だな。

まあ、こういう格式ばらない敷居の高くない
気楽な音楽会もいいのかもね。
これがここのやり方。

それでもまた新しい出会いがあり、
またひとつ知らなかった世界を知り、
貴重な経験をさせてもらい、
私のプロフィールにも記載事項が増え...＾＾

こうして私の記念すべきギタリストデビューとなったのでした