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suzuna

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2005/10/13
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カテゴリ:カテゴリ未分類
「あれ、まだいたの?」

そう言って教室に入ってきたのは、さっきバイトがあると言って帰っていった友達。

「え……うん、ちょっとね」

突然の事に、少し返答に困ってしまった。

「ふぅん…。私は、ちょっと忘れ物ね」

そう言って彼女は、自分の席に向かった。

がさごそ…。
シンと静まり返ってた教室に、物音が響き渡る。

しばらくの間、お互い無言。
それから少しして忘れ物を見つけたのか、彼女はそれをいそいそとカバンに詰め込んだ。
そして、

「それにしても、こんな時間まで何してたの?」

唐突に、彼女が聞いてきた。
それもそうだ。
明らかに不自然だもんね。

「う、うん…特になんにもしてないよ」

もちろん、何もないなんて事はない。
あんまり喋る気になれなかった。
そんな気分じゃない…。

「んー」

でも、彼女は納得しないのか何かを考えるかの様にして、こちらに近づいてきた。

「どうしたの? ここ数日なんか変じゃない?」

「え…そ、そんな事ないよ」

「そんなこと無くない。ほら、何かあったんなら言ってごらんよ」

うぅ、やっぱり彼女にはお見通しみたい。
彼女は、小学校の頃からの友達。
高校入った時は違うクラスだったけど、今年は同じクラスになったんだ。
以来、何度かこの様な悩み事を聞いて貰っていた。
だから…解っちゃうんだね。

「う、うん…実はね…」

私は、全部を彼女に話した。
理由もなく、泣き出してしまった事。
彼に、キスされた事。
それに、彼と初めて話した事。

それを聞いて彼女は、少し驚いた様な顔をした。

「もしかして…彼、記憶が戻って来てるんじゃ…?」

「記憶…?」

「そうよ。あの時あなたにも説明したけど、全然聞き入れてくれなかったから…」

そう言えば、そんなことがあった気がする。
あれは、小学校の頃の…。


(続く)





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Last updated  2005/10/14 02:58:42 AM
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