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suzuna

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2005/10/20
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カテゴリ:カテゴリ未分類

「ううん、アナタも少しは記憶を無くしてるハズよ」

あれは、小学校の頃…
彼女の話によると、私と彼は小学校の頃一緒のクラスだったらしい。

全然、覚えて無いんだけどね…。

そして彼は私に、恋心を抱いていた。
ラブレターも貰っていたみたい…。
彼女にもその事で、色々と相談していたみたいだ。

でも、結局一度もちゃんとお話する事は無く。
ラブレターを受け取った数日後、一つの事故が起こった。

それは、クラス対抗でのバスケットボールの試合があった日。
彼はバスケ部に入っていて、その時の試合にも参加する予定だった。

ラブレターをくれた彼が出場している。
そう思って、私は彼女と一緒にバスケットの試合を見学しに行った。

バスケの試合を見に行った……この部分は、何となく覚えてる。
でも、この後何があったのか…そこが、よく思い出せないでいた。

「この試合の時にね、彼がドリブル中にバランスを崩して……あなたに向かって倒れこんできたのよ」

「…そんなことが、あったんだ」

だから、その後の部分が記憶から飛んでるんだ…。

「打ち所が悪かったのか、あなたも彼も気を失っちゃってね。
 試合はそこで中止。二人とも病院に担ぎ込まれたんだから」

その後、二人とも怪我は大したことなく、すぐに退院出来た。
でも、彼の方は……一部の記憶がすっぽり抜けちゃってたみたいで。

その一部の記憶とは……そう、私に関する全ての事。
好きになってた事も、ラブレター出してた事も……私の、名前までも。

「あの時…事故があった後、ちゃんとあなたに説明したんだけど…
 『冗談だったんだよ』とか『からかわれてたんだ』とか、そんな風に言ってたんだよね…」

「う、うん……そうだった、かも…」

それもそうだ。
私の事だけを忘れるだなんて、そんな事有り得ないと思ってた。
…その時は。

でも、今となって考えると…
あの時の彼の行動も、納得がいく。

それにしても、何でこんな事件を全く覚えてなかったんだろう…。


(続く)





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Last updated  2005/10/21 02:41:59 AM
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