|
カテゴリ:ひよっこ
■踊り出しましたか。どうやらヒロインの恋愛成就という課題が最大のクライマックスということではないようだ。昨日の大好きから冒頭の動く恋ダンスへ、増田明美からも見放されたように、このふたりの学芸会が拡散する幸せオーラは名作を期待してここまで見ていた視聴者との距離感をまた少し伸ばした。
■当時(昭和40年代前半)NHKでは「ジェスチャー」という番組があった。比較的長い文章を言葉を使わず身体の動きだけで相手に伝えあうというゲーム。たとえば「これから内巻きパーマの女性とこの店のシェフが何だか深刻な話をする気配がするから一緒に見に行こう」ということを伝えるために島崎遥香はあのような伝え方をするわけだ。 ■その誘いにのったのはなぜか急にそこに集まってきた女性ばかり5人。昨日の立聞きは自分の一番聞きたいことを偶然聞いてしまった(そしてその立聞きしてしまったことをみんなに見られてしまった)まるで被害者のようなヒデ君ひとりだったが、今日のそれはその5倍の規模ですずふり亭調理場において行われた。 ■そのように周りに無言の状況を作ることによって、愛子さんの語る戦争体験は宗男のそれのように切実に聞こえる仕組みになっている。彼女のスターという座から一般人に格下げされた佐々木蔵之介もまた直接その告白を聞くことになる。そして少し離れたところには固唾をのんで耳を澄ましている立聞き5人衆もいる。 ■カメラ目線で大好きと言われたわけではなかったが、その愛子さんの長い話を受けて、シェフもまたジェスチャーでそれに応える。そのピースサインはたしかに愛子さんには伝わったのだが、立聞きしていた彼女たちにそれが見えたのかどうかはわからない。立聞きと盗み見の違いはそこにある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/09/23 01:48:48 PM
コメント(0) | コメントを書く |
|