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カテゴリ:ひよっこ
■一日に三歩進めるなら、二歩下がる必要はないじゃないか。そんな子供の指摘に大人になったみね子はこう答えるのだろうか。どんどん前に進んでいくだけでは見えない景色も一旦後ろに下がれば見えてくることだってあるんだよ。いや、本音を言えば半年間156話を毎日三歩ずつ進んでいったら50年くらいすぐ経ってしまうからだ。
■車掌さんがいなくなりワンマンになったバス(日野自動車ならぬ、ひよ自動車!)で帰郷する。乗客もまたワンマンでお喋りの相手はマイク越しの運転手小太郎さんだ。そうか、次郎さんは村長に立候補したのか。やがては国政に打って出てシンゴジラと対峙する日が来るんだな。 ■バスで旅立つ誰かを走りながら見送る誰かというのはドラマではよくある光景だが、戻ってくる誰かを走って迎えに来る誰かという描き方は新鮮に映る。あの子たちにはみね子にどうしても見せたいものがあったのだろう。 ■超遠景で撮られたバスを降りた3人があの道を走っていくシーンにあふれる郷愁はただものではない。たった数秒で回収される様々なエピソードの性急さの対極にあるこの長閑な風景描写はとても同じ物語には見えない。 ■ここにきてあかね荘の空き部屋問題はより深刻である。打開策はふたつ。ひとつは狸型ロボットが大当たりした漫画家に影響され、その道を志す若者たちが大挙してそこに乗り込んでくる。その後その中のひとりは裏庭に突然現れた天使、茜ちゃんを主人公にしてちびまる子ちゃんをヒットさせる。 ■もうひとつの可能性は大女優川本世津子を真似て、大挙して女優たちが隠れ家としてこのアパートに押し寄せてくる。周囲には口の軽い者もいないわけではないが、セキュリティーは万全。入り口には人間セコム富さんがいる。 ■最終週にしてここを退場していく人たちを中心にハグが大流行である。女性同士だけでなく、男性同士も、恋人たちも、父と娘もそうやって感情を分かち合う。でもひとりだけその輪には加わらないものがいる。ヤスハル、君こそ昭和の男だよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/09/27 10:01:54 PM
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