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カテゴリ:ひよっこ
■ナポリタンはあばずれの食べ物だと言ったのは「あまちゃん」の小泉今日子だったが、あかね荘でそれを食べる面々が皆そう見えるかと言えば、そんなことはない。澄子のそれは普通盛りの二倍の量で、そのあおりを受けて一皿を分け合うことになった二人組もいた。
■好きなものは先に食べるか、後に食べるか談義は「カルテット」の高橋一生による唐揚げにレモン講座の様な深遠な人生論には発展せず、富さんがただ単にウインナーを食べたかっただけの話として受け止められる。ただし突然奪われたそれを再びがぶっと横取りした菅野美穂の仕草には何かしらを仄めかした効果もないわけではなかった。 ■上京するみね子に古谷一行が渡した一万円札には「北の国から」の例の泥がついたそれのイメージが付きまとうが、みね子にはそれを純の様に自分の宝物として大切にしまっておくというこだわりはないようだ。それを渡した爺ちゃんもまた将来それが自分の交通費として使われることになるとは思ってもみなかったはずだ。 ■澄子の祖母問題は明るすぎる最終週の唯一のシリアス路線への突破口にも見えたが、それに対して深入りする気配は全くなく、あかね荘への彼女と豊子の転居のきっかけ作りの挿話に聞こえたに過ぎない。喋りや姿勢にあまり変化は感じないが、澄子が確実に垢ぬけて見えるのはこの女優の露出が多くなってきた証拠でもある。 ■人参の皮むきをしながらプロポーズする男性が世界中でどのくらいいるのか知らないが、そこで涙が流れてもその野菜のせいにはできない分、玉ねぎよりも率直である。もちろんその時いつものようにふたりの手は止まっている。そしてそれを立ち聞きしている者も、盗み見している者も今回は(増田明美以外は)いない。 ■今までに家族そろって歌合戦に出場したいという気持ちになったことはないが、何かを残すためにそれに出てみたいという事情を持った家族がいるからそういう番組が成立するわけだ。どんな家族ですかと訊かれ、自慢の家族ですと答えるカメラ目線の先にはどんな視聴者がいるのか彼にはわかっている。それを見て泣いてしまうのは家族に恵まれない者だけではない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/09/30 01:39:53 AM
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