ちょっと休憩

娘は、幼稚園から帰宅しておうちで過ごすときは、ＢＧＭにＣＤをかけろとうるさいです。
うちはあまり子供用のＣＤがなくて、図書館から借りたのがなければ、大人用のを聴くしかありません。
で、勝手に好きなのを選ばせます。
我が家にはジャンルさまざまでＣＤが７００枚ほどあるので、娘も選び甲斐があるようです。
といってもひらかなを読めるかどうかの能力しかないので、内容を理解して選ぶわけもなく、かなり適当。
ジャケット写真で選んだり、何の気なしに適当に引っこ抜いたり。
私が自分で選ぶといつも決まったのばかりになるので、結構今日は何だろうと、こっちも楽しみになります。

で、本日の選曲

１．モーツァルト「交響曲４０番」「交響曲４１番」
２．ベートーベン「交響曲９番」
３．クィーン・ラティファ「ALL HAIL THE QUEEN」
４．チェット・ベイカー「CHET BAKER SINGS」

クラシックが２枚……そもそもモーツァルトとベートーベンではテイストが大分違いますが。
その後、急にサウンドが変わってHIP HOP。
そして最後に語りかけるように歌うジャズヴォーカル。
なかなか楽しいです。

クラシックは退屈で聴いてられないわ、なんて時期も昔はあったのですが、やはり年をとると音楽の趣味も変わってくるのか、だんだん好きになってきました。
さすがに「××だと、○○の演奏がいいわ」とか「▲▲は、☆☆には向かない」みたいに通になるには、まだまだ道のりは遠いのですが……。
でも、今ではベートーベンが過激に聞こえるほど、モーツァルトが心地よいものになってきたので、クラシックが聴ける耳になってきたかなあなんて、勝手に思い込んでます。
といいながらも、ジャズでもポップスでもなんでも聞きますけどね。

ベートーベンの「第９」は、昔から縁がありました。
私の高校では、器楽部、合唱部、そして音楽選択生徒による「第９」演奏会というのを毎年やっていて、年末ではなくて、春が私達にとって「第９」の季節でした。
私は美術選択だったので、いつも客席で聴く方。
さすがに素人の演奏なので、第３楽章なんてかったるくて寝てましたが、しかし４楽章になるとなかなか聴き応えがありました。
歌のソロパートはプロの方にお願いしていたので、それだけでも引き締まるんですねー。
社会人になってからも、何回か「第９」コンサートに行く機会に恵まれて（今度はプロの演奏）、考えてみれば生の音楽で一番聞いているのは「第９」だと言えそうです。

「第９」は、ベートーベンが完全に耳が聞こえなくなってから作曲したものです。
それだけでも驚きですが、初演時、彼が指揮棒を振るのですから、それもすごい。
どうやって演奏指示するんでしょう？
で、演奏が終わって会場は絶大な拍手喝采の嵐になるのですが、彼は客席に背を向けているので、当然全く気が付かない。
そこをソプラノ（だったかアルトだったか）の女性歌手がそっと彼を後ろを向かせてあげて、彼は演奏の成功を初めて知るのです。
……ということを、何かで読んで感動した覚えがあります。
最終楽章の終盤の盛り上がりは、ものすごい高揚感に恍惚となるくらい。
だから、その勢いのままで演奏が終わったときの観客の興奮がわかるだけに、初演時の感動はいかなるものか、と「第９」を聴くたびに、それを想像して胸が熱くなってしまうのです。

しかし、私は子供のころ、「第９」と聞いて私は「大工」だと勘違いしていました。
大工さんを称えた曲なのかー、みたいに。
ベートーベンの交響曲は「田園」とか「運命」とか「英雄」とかタイトルがついてるから、その類かと。
考えてみれば、第９にも「歓喜」とついているのですけどね。

そういう間違いをした人、きっとほかにもいます……よね？