|
テーマ:今日聴いた音楽(75326)
カテゴリ:音楽
娘が幼稚園に行って不在の午前中、なんか音楽が聴きたくなりました。
そうだ、最近聴いてない「あれ」にしよう!と、選び出されたCDは下記のもの。 アストル・ピアソラ「Tango:Zero Hour」(収録1986年) アルゼンチンタンゴの異端児ともいわれたアストロ・ピアソラが自身の最高傑作と称したアルバムです。 彼が92年に亡くなって、日本においてもピアソラブームに沸いたですが、彼を知らない人でもチェロ奏者のヨーヨー・マが演奏した「リベルタンゴ」はきっと耳にしてるはず。 TVCMに起用されて、話題になりましたから。 私も彼の生前は存在すら知りませんでした。 実際そのTVCMで「リベルタンゴ」を聴いてはまってしまった、「遅れ馳せながら」という感じのファンなのでございます。 さて、なぜこのCDを選んだかというと、実はこのCDは、娘がいると聴けないのです。 このCDを買ったのは、たぶん99年ごろ。 すごい気に入って常にCDコンポの中に収まってた1枚でした。 そして2000年、妊娠。 一般的に胎教にはモーツァルトがいいと聞きます。 でも胎教といっても要は、 母体が音楽を聴く。 それによって、精神がリラックスする。 それによって、胎児にいいとされるホルモンが分泌される。 それによって、胎児もリラックスする。 それによって、結果的に胎児の健やかな成長を促す。 ということらしいです。 それじゃ、私が好きな音楽を聴いて、いい気分になれば、お腹の赤ん坊もいい気分になれるってことか、と解釈した私は、ジャズもボサノバもロックもソウルもなんでも聴きまくりました。 そしてこのCDはその中でもヘビーローテンーションの1枚でした。 1曲目の「Tanguedia 3」は、人々の声(歌声ではなくてざわめきのよう)とともに重低音が響く伴奏で始まるという曲です。 それがなんとなく昂揚感を誘うのです。 それで、私もすぐ音楽世界にはまっていってしまうのですが、どうもお腹の赤ん坊の活動も、このCDをかけるといつも激しくなるのです。 「胎児もアルゼンチンタンゴで踊っているのかしら」 「赤ちゃんもモーツァルトよりタンゴでノリノリ?」 なんて思いながら、気をよくしてちょくちょく聴いてました。 出産後は日々の育児に疲弊していて、それこそ激しいタンゴを聴く気分にはなれず、しばらくピアソラから遠ざかっていました。 そして娘が3歳になるちょっと前のことです。 食事中になんとなく音楽をかけようという気分になって、久々に「Tango:Zero Hour」を引っ張り出したのです。 「これね、○○(子供の名)がお腹にいる頃、よく聴いてたのよ。音楽が始まるといつも元気に動き出してたんだから」 などと言うと、娘も期待に満ちた顔で 「早く、かけて」 などと言います。 で、音楽がスタートし、部屋に重低音が響き渡りました。 すると娘が泣き出したのです。 「これ、恐いよ」 「うそ……?」 「もう止めてよ。恐いよ」 彼女は涙をぼろぼろ流しています。 がーーーん、ショック。 つまり、娘が胎児のころ、このCDが気に入って踊っていたのではなくて、このCDがいやで暴れていたということ――? 胎教にいいと信じて聴いてたものなのに、実は胎児に多大なストレスを与えていたってこと――? そういえば、うちの娘は臆病ですぐぐずるし、結構情緒不安定だし、これって、お腹の中でこのCDを聴いてたせい――? などと、極論にまで妄想が発展するほど、すごいショックでした。 試しに、しばらく日をおいてから、もう1度流してみたら、やはり「恐い」と即座に却下されました。 そんなわけで、このCDは娘がいると聴けません。 1曲目をとばして聴けばいいという考えもあるけど、やはり1曲目ってCD全体の大事な導入部だと思うんですよね。 だから、とばせない。 だから、彼女が不在の時にこっそり聴きます。 同じ理由でビートルズの「ABBEY ROAD」も聴けません。 1曲目の「COME TOGETHER」のイントロも彼女にとって恐いとのことです。 たぶん、どちらも途中に入ってたらそんなに気にしないと思うのですが、やはりオープニングにこれが来るから、ドキドキさせられるわけだし……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[音楽] カテゴリの最新記事
|