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カテゴリ:テレビ
最近、テレビドラマをみることはめっきり減ったけど、今クール唯一見てるのは「大奥~華の乱」。
菅野美穂の主演の「大奥」(毎週見てた)や松下由樹主演の「大奥~第1章」(あまり見てなかった)では、「歴史の影で泣いた女たち」的な描かれ方してましたが、今回は違うようです。 「大奥」では、菅野美穂は、幕末期の幕府存続の危機のなかで薩摩藩懐柔のために将軍家と島津家の政略結婚に巻き込まれる姫様でした。 「大奥~第1章」では、松島由樹は、幕府黎明期に幕府の存続と安泰のために<血統の維持>を使命に冷酷に大奥システムを作りあげる春日局でした。 つまり、大奥外部の歴史的動きが大奥に大きな影響を与え、その中での理不尽な成り行きに翻弄されていく女性の悲劇、みたいなお話だったわけです。 でも、今回はそういう背景はなく、ひたすら、女の権力争い。 それも、ドロドロ。 たぶん、いちばんエンターテイメントな女の世界が描かれてます。 時は元禄、平和な時代。 経済も文化も花開いた時代。 将軍は5代目となり、幕府の支配体制は磐石でゆるぎない。 将軍・綱吉は学問好きだけど暗愚で好色、マザコンで、政治は部下任せ。 ただ、世継ぎをもうけることのみ望まれている。 よって、大奥は綱吉の子作りのためだけに機能しているということになる。 ……そんな描かれ方されている大奥。 主人公・安子(内山理名)が、夫と離縁させられて大奥に側室としてやってくるのも、なんの政略的な大義名分もなく、暗愚な綱吉の気まぐれ(というか桂昌院たちの陰謀)で召し出されたに過ぎない。 子供のいない公家出身の正室・信子も幕末期のような公家と武家の友好のためという大きな使命もなくお飾りとしているだけ。 早々に男児をもうけた側室お伝(小池栄子)も出自の卑しさのために、今一歩自分の地位が安定していないことに、不安を感じている。 そして、綱吉の母・桂昌院(江波杏子)は、その地位を利用して大奥で権勢を振るい、女たちの子作りレースを煽っているが、今回の第4話で、大奥総取締役の座を信子の上臈である右衛門佐(高岡早紀)に奪われる。 結局のところは、だれが大奥のパワーバランスの中で勝利するか、ということがドラマの見所なわけで、綱吉たちに復讐を誓っているはずの主人公安子もそれに巻き込まれてふらふらしている。 綱吉の世継ぎを得るということが、まあ大義名分といえばそうなのだが、女たちはだれも幕府存続という表の世界の目的に頓着せずに、大奥で生き抜くことだけに汲々としているわけで……。 大奥の最高権力者である綱吉に対してだって、自分たちの権力保持のための利用すべき道具で、ただの子種の持ち主に過ぎない扱いだし……。 それだからこそ、女同士の戦いが平和で純粋に(?)ドロドロとして、見ているほうも、その部分だけ楽しめるというつくりになっているような気がします。 これまでの「大奥」も、その部分が一番楽しい部分であったわけだし、かえって男たちの活躍する表舞台の方はどうせオマケだから、どうでもいいや、みたいな感もありましたしね。 そういう意味では、今回の「大奥~華の乱」は、今までで一番純化された「大奥」という感じですか。 見たいところだけ、存分に楽しめる趣向ですね。 (女のドロドロな戦いだけが楽しい、と書くと性格を疑われそうですが、敢えてそれを承知で書かせていただきました) 今日の第4話で新しい大奥総取締役が誕生したことで、来週からの展開はどうなるやら。 今回ラストで危うくお伝(ヒステリックな役を小池栄子が好演)に殺されそうになってた安子、どうやら無事出産を果たすようで、そのへんの複雑な成り行きも気になります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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