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テーマ:暮らしを楽しむ(387543)
カテゴリ:日々のこと
街もすっかり色づきました。
街を吹きぬける風は、枯葉をはらはらと落とします。 風に舞う枯葉たちは、その軽さゆえ高く広く舞い上がり、 まるで天から降ってくるかのようです。 夕方にはまだ早いけど、傾きかけた日が並木道に差しています。 そこを車で通る私の目には、そのスピードゆえ秋色の大きな木々が切れ間なくつながって、 まるで暖色のトンネルを走っているようです。 夏の日ざしとは違い、日なたと日陰のコントラストは曖昧で、 そのぼやけ加減と秋の葉の暖かな色が柔らかく街を縁取ります。 車の中の私は、とてもよい心地でそんな街を眺めています。 けれども、勘違いしているのです。 窓で遮断されている風の冷たさは、そんな目に見える世界を裏切って、 容赦なくもうすぐ訪れる冬の到来を予告しているのです。 暖かい色に包まれた街は、決して暖かくない。 車を降りた私はそれを実感します。 今はもう秋の終わりなのだと。 髪を乱す風は、セーター1枚の私にはとても冷たくて、 ストールつかむ手に思わず力が入りました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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