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テーマ:たわごと(26824)
カテゴリ:日々のこと
私が中学校に入学した頃の話です。
私は、地域の公立小学校を卒業し、そのまま地域の公立中学校に入学しました。 そこで廊下ですれ違った同じ学年の男の子を一目見て、どうにも気になる存在なりました。 一目ぼれとかそういうのじゃありません。 「私はこの人を知っている!」 ものすごく強い既視感です。 しかし、彼とは小学校は学区が違うし、顔見知りのはずがない。 なのに、この人とは前に何度も会ってるという気がしてなりません。 さすがにそのころは「オーラの泉」を見てたりしてないので、前世で知り合いだったのかも……なんて発想はしませんでした。 運命的出会いかも、……なんてことも思いませんでした。 「運命的に恋に落ちる」相手としては、ちょっと私の好みからは、ずれていました。 中2になり、彼と同じクラスになりました。 結構気が合う相手で、わりに言葉を交わす間柄になりました。 もちろん、恋には落ちません。 でも、そうこうしているうちに、私の既視感の謎が解明されました。 彼は、幼稚園時代のクラスメートだったことが判明したのです。 「それがどうした?」と言われそうだけど、まだ続きがあります。 私は、小2の頃に千葉から、東京に転居しました。 そのあと父の転勤で大阪に移ったりして、その後東京に戻ってきます。 つまり、幼稚園は千葉郊外で、中学は東京郊外なのです。 彼も、幼稚園まで千葉に住んでいて、小学校入学と同時に東京郊外に越してきました。 よって、私も彼も、かつて千葉の某市に住み、そして時は違うけど東京某市に転居したということになります。 それも、幼稚園が一緒になるくらいの近所から、学区が同じになるような近距離に。 もちろん、彼の家と私の家はなんの付き合いもなく、父親の仕事関係というつながりも全くなく、それぞれの家の都合で転居したわけです。 そういう再会を果たす確率がどのくらいのものなのかわかりません。 でも、中学生だった私には、ものすごい感動的といえるくらいの驚きでした。 「不思議だね~」 互いに、驚きの偶然にそう言い合うしかありませんでした。 そして、お互いにあまりありふれていない苗字だったので、家で幼稚園のアルバムを探せば、一発で彼を見つけることができました。 (彼もやはり自宅で私を確認したらしい) 十分当時の面影が残っていて、既視感を抱いた理由も解明したのでした。 しかし、だからといって、彼と急速に関係が深まるということもなく、「まあまあ仲のよいクラスメート」の関係のままでしたけど……。 その後、中3のときも同じクラスになり、高校まで同じでした。 ちょっと腐れ縁です。 といっても、やはり、二人の間に恋は芽生えませんでしたけど。 そういえば、彼は私の友人の友人とつきあってましたっけ。 その後、大学生のころクラス会で会った以降(やはり恋は芽生えず)、全く会うことはありませんでした。 でも、この前(といっても数ヶ月前)、ばったり実家の近くの図書館で会いました。 すれ違いざまに、彼だとわかり、彼も私に気付いたようでした。 気付いた瞬間に、思わず名前を呼んでいました。 私は娘と母と一緒で、彼は奥さんと二人のお子さんを連れていました。 「久しぶりだね」 「実家に帰ってきてるの?」 「子供さん、二人なんだ~」 などと、ちょっと言葉を交わし、すぐに別れたのだけど。 たぶん、彼とは、死ぬまでただの知り合いのままだと思います。 だけど、ずっと会ってなくても、どこですれ違っても、すぐに彼だと気付くんだろうなあ、という気がします。 何せ、私が幼児の頃から大人になるまで、「ずっと知っている」唯一の他人なんですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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