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カテゴリ:幼かった頃
1945年、母の田舎に疎開していたころ、
土間からすぐ上がったところの部屋が、夏など田舎風に、 障子で仕切られることのない部屋になっていて、 そこで、みんなで食事をしていた。 弟が、食事しながら眠ってしまうと、母は、抱っこして 布団のある部屋に寝かせにいくのだった。 それが私には、うらやましかった。 4才のわたしも、母に抱っこされて布団に運んでもらいたかった。 ある日、食事をしながら、眠たくなったふりをして、 狸寝入りをしてみた。まだかな?まだかな? しばらく待っても抱っこしてくれない。 幼い私は、そのうち、本当に眠ってしまった。 真夜中だった、ふと目がさめて、あたりをうかがうと、 何か様子が変だ。床がざらざらしている。 真っ暗な中、 「おか~~~ちゃ~~ん」何度も呼んだ。 お婆ちゃんが来て、小さな電気を点け、 「おやおや落ちたのねぇ」 私は、食事した場所で、そのまま布団を掛けられていたのだ。 ころころ転がって、土間に落ちて、目が覚めたのだった。 私の小さな作戦は、再び行使されることはなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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