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カテゴリ:幼かった頃
疎開していた頃、ある日
二人の姉と私は田舎の道を遊んで橋の上まで来た。 3人で橋の欄干にもたれていると、2年生の姉の下駄がポロリと 落ちて、橋の下の汽車の線路に、カパッ!っと、はまった。 その時、汽車が向こうの方からこちらに向かってくるのが見えた。 3人は、青くなった。下駄がはまってるから、汽車が脱線する!と 思ったのだ。とっさに4年生の姉は、決心して、 転がるように土手を降りた。 残ったふたりは、「おねえちゃ~~ん!おねえちゃ~~~ん!」と 声を限りに、泣き叫んでいた。 首尾良く姉は下駄を線路からはずして、逃げた。 汽車は、大きな煙を吐き上げながら、通り過ぎていった。怖かった。 姉が下駄を持って登って来るまで、二人はずっと泣いていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.03 20:27:51
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