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カテゴリ:2007年12月
10年ほど前からか、どこかに行ったりしたときは、
必ず探しているものがある。骨壺がそれだ。 普通の斎場で用意してくれる白の小さいのは 200円か、300円くらいなのに、 ネットで調べると、かっこいい骨壺は5万円でも安いほうらしい。 高価すぎる。あれこれ見てみたが、ピンとこない。 私は、1万円以内で、素敵な骨壺を探しているのだが、 なかなか気分に合った良いのに出会わなかった。 ある日、自分の骨は、残しておかなくたっていい。大空から、宇宙へ撒いて ほしいな~。などとロマンチックな気分で言ったら、 弟が即座に 「姉さん、貴女はそれでいいかも知れないが、貴女の灰が 宙に舞って誰かがそれを吸ったら、吸った方は迷惑じゃん」などと うそぶいた。 その上、何かで、読んだのですが、 愛する人の骨をペンダントにしてくれるというので、注文したら、 自分でその骨を粉状になるまで、すりつぶして送ってくれ、とかで、 夜中に骨をすり鉢で、しこしことすりつぶすというおぞましい 行為が、不気味に書いてあった。それだったら、まるで鬼婆だ。 日本の焼き場の温度は低いから、外国のように粉にはならないのだそうだ。 粉にして、宇宙に撒いてほしかったら。だれかが鬼婆になるしかない。^^ それで私もすぐに宗旨替えをして、 宇宙に撒くのは、やめた。 しかし、 「あの、白い、でかい骨壺には、入りたくない、手に納まるような 小さな、かわいい素敵な容器に入りたい。」と、思うに至った。 それで、陶器、磁器、漆器、木製、金属製、自然の石、布製、 ガラス製(透きとおったのはいやだが)等々の工芸品や、 容器を見て回ったりするのだ。 たとえば、茶道具の棗や、茶筒、茶器、キャンデーボックス、宝石箱、 湯飲み、小さな箱、小さな壺(蓋は別に求めなくてはならない)など。 エジプトのアラバスター製の臓器入れもいいかもね。 ははは… 母は、生前、父の骨壺を、ある陶芸家に頼んで作らせた。 手の平に乗るのるほどの小さな容器だった。そういえば、自分自身のは 作っていなかったみたい。ちゃんと、300円のお仕着せに収まっていた。 可哀想な、母。こだわってたのにね。人間、なかなか自分が死ぬことには 思いが馳せないのかもしれないな。 ところで、最近は、骨壺を探すのはやめた。興味がなくなった。 あるサイトで、 10万円くらいで骨を海に撒いてくれるというのがあったからだ。 散骨式を丁寧にやってくれるらしい。 そうすれば、ちょっとの間なんだから、 あの、無粋な、大きな白の容器に入っていてもいいんじゃない? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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