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カテゴリ:大学時代
若くて、おきゃんだった19才の私は、
母が自分のお下がりの服を私にあげると言うや否や、 「いらない!」と、叫んでいた。 何にも無い時代だったけれど、 母の平凡な服などを着るなんて、おぞましいとさえ思ったものだ。 しかし、 たったひとつ、例外があった。 私は、しおらしくも、真っ白な綿レースのワンピースに あこがれていた。 母を最も美しく見せた、 母の麗しい真っ白な綿レースのワンピースだったら、 いつか、もらっても、 自分の美意識に照らして許せるな、と 内心(えらそう!)に思っていた。 ところで、 母は、ある日、 その真っ白な綿レースのワンピースを、父の部下の奥さんに あげてしまった。 その奥さんは、結婚前は、お金持ちのお嬢様であったし、 美人で、個性的なアプレガールだったから、 母のお下がりなんか、さっさと捨てちゃったに違いない。 私は、あのレースのワンピースに執心があったのか、 後になって 2人の娘達には、縫って着せました。 でも、私自身は何故か、 あの、真っ白な綿レースのワンピースに縁がない。 想うに、 エレガントな物に、強く憧れているのに エレガントな自分は嫌い。 変なひとです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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