2年ほど前に記事にしたこともあるが、
私の宝物は
私の誕生日に娘のひとりが贈ってくれた
「レターセット」だ。
レターセットと言っても、
そんじょそこらにあるようなレターセットではない。
そのレターセットは、
ボッチチェリの、「ビーナスの誕生」の絵が
印刷されているものだ。
あまりにも美しい便せんと封筒なので、
うれしくてうれしくて、
時々出してながめ、
これを使って、
どこのどなたにお手紙を書こうかしら~~と考える。
ところが、もったいなくって、もったいなくて
どうしても書けない。
何度もトライするが、もったいなくて
やっぱり、書けない。
そうこうしているうちに引き出しの中で
5年も経ってしまった。
ところで、
とうとう先月、
この宝物を使う時が訪れた。
夫のすぐ上の兄は、傘寿のお祝いをするという。
お祝いのメッセージを書くにあたって
そうだ、あれだ!と思うに至る。
義兄という人は、若いころ、芸術を学んだ。
天職こそ、全く畑違いの仕事ではあったが
芸術のこころを持ちつづけて
現在は、
長男のそばに住んで
自由な創作活動を楽しんでいる。
そうだ、この人にこそ、
私の宝物の
ビーナスの誕生の絵のついた便箋で
80才のお祝いのメッセージを書こう。
きっと感激してくれる。
喜んで電話してきてくれるにちがいない。
便箋のすばらしさを褒めてくれそうだ!
この人にこそ、ぴったりの便箋だね。
義兄から電話がかかる。
酔っぱらった声
「あ~お酒、ありがとう!
あの~絵の紙があったけど、
あの紙は何だ?
何の紙かと思って良くみたら
裏に何か書いてあった。ありがとう。」
だと~~~~~!!!
それだけかい!
あああ
損した気がする。
ただの紙じゃないよ!
お洒落な便箋だってことすら
解からないなんて!!!涙