長女の夫が、癌になったことは、
私の心を凹ませてしまって
孫が医学部に合格したことも、あまり手放しで喜べなくなった。
そして、つづいて私自身も人間ドックの先生から
胃の写真を前に
医者「この影が怪しいですから胃カメラ検査してください。ところで、
去年、紹介状をだしてあげた腸の内視鏡検査結果はどうでしたか?」
私は、怖くて行かなかった。
医者「もう、あれから6年経ったんですよ。
一日も早く、必ず、腸の内視鏡検査受けること!」
恐怖感に襲われて、
何も手につかないからお掃除ばかりしている。
もう、私は、70才を前に、死んでしまうのかな?
こういう事が起きた時にうろたえないようにと思って
いろいろ心して来たことが
何も役にたっていない自分に気がつく。
よほど気が小さいらしく、手が、小刻みに震えている。
そうしたら、何だかこの世の名残りに見るような
変なことばかり起きる。
ご自分が癌になって、癌を知る旅に出た時の、立花隆氏の番組を
去年、録画していたのを、もう一度、観てみよう~と
心に思っていたら、東京駅で、ばったり立花隆氏に出会ってしまった。
ほんの1メートル以内。ぎょっとする。
そして、テレビをたまたま点けたら
小学生のころから聴きたいと思っていたショパンの
雨だれのプレリュードに初めて出逢い、じっくり聴いたり。
お昼ごろだったか
これもたまたまテレビをつけたら、
私が昔、この歌、好きだな~
と、思ったが
一度もちゃんと聴いたことがないフォークの
「受験生ブルース」を歌っているおっさんが出ていた。
私は、
「受験生ブルース」は、ギターのコードを押さえながら歌える
数すくないレパートリーなので、
ちゃんと聴いてみたいな~と、いつも思っていたのだ。
そのおっちゃんは、誰かと思ったら
この歌を作曲した高石友也氏で、
彼は、現在
妻が癌になったので、
お遍路まいりをつづけて、満願になったという。
いかにも好々爺という感じで、にっこにっこしながら歌っている
彼はこの歌が大ヒットした26才の時
「僕は、お金もうけがしたくて歌ったのではない」と
歌手をやめて
ニューヨークに放浪の旅に出たと言っていた。
ふ~~ん。
私は、いつもテレビ番組を狙って観る事はほとんどないのだが、
たったひとつ
絶対にこれは、欠かせないという番組がある。
「大改造劇的ビフォーアフター」だ。
私はこれが大大大好きなのだ。日曜日の夜7時55分に始まる。
ところが、今日の昼だったか
テレビから、時ならぬ「大改造劇的ビフォーアフター」の
テーマミュージックが聞こえてきたので
びっくりして画面をみると
カーリーヘアーを金髪に染めたピアニスト松谷卓さんが
インタビューに答えていた。
彼が8年前の22才の時に作曲したそうだ。
ふ~~ん。
夜、夫が今日は疲れたから早く寝ますと言い早々にベッドに入った。
私も寝る前に、ちょっとテレビを点けると
去年、
美容整形などで、美しく変身できる女性が出る番組で
ペキン原人か?ピテカントロプスか?という骨格自体ひどい顔の
哀しい女性が泣いていた。
手術の結果は6ヶ月後とか言っていたので、
絶対観れないな~とあきらめていたのに、その結果に出逢う。
私は、本心怖くなった。もう、お別れなのか。
眠りかかっていた夫をゆすった。
「ねえ!私、また見たいと思っていた人に出会ったのよ。
だんだん神様の域に近づいているんじゃないかしら」
夫は目を覚まして
「そんなにテレビばっかり観てたら誰にでも出会うさ。」
と言って
また眠りに就いた。だはは
勇気を振りしぼって、まず
胃カメラを飲もう。涙
今朝は雪。
この地上も真っ白な天国みたい。 だはは