岡本知高
勇躍して新天地に根をおろし、 精一杯、仕事にはまりこんでいますが 引越しに伴う大きな環境の変化は、 思いがけない体調不良を引き起こして なかなか 回復しない。 昨夜も 体調が悪かったので早く休むことにして ちょっとテレビを点けたら もう、眠れなくなった。 前から気になっていた人物だが、一度もテレビでお目にかかったことがなかった岡本知高さんが出ているのだ。 男性でありながら女性ソプラノの音域を出せるという 稀有な声楽家だ。 この人は、国立音楽大学卒業後、 パリ・プーランク音楽院をトップで卒業し、 日本で華々しく活動している。 今回、 NHKのTV番組の要請で、イタリアに飛んだ。そして、 イタリアオペラの先生から3日間の猛特訓を受ける様子を放映された。 「貴方は持っている才能の30パーセントしか出せていない」と、 日本の第一人者に向かって 美しい先生は、きっぱりとおっしゃる。 旅の締めくくりに音楽大学の先生方と生徒の前で歌を披露したが、 私の耳には、 彼が、 ちょっぴり本領を発揮できなかったように感じて残念だった。 会場で、生で聴いたイタリア本場の人々の批評が聞きたかったなと思う。 しかし、 厳しい3日間のレッスンの最後に 先生がおっしゃった言葉に感動させられた。 「これからは、歌う時はいつも、 自分は、だれも出ない音域の声を出せる歌い手として 神に選ばれたんだ、という自信と、誇りを持って歌いなさい」 どんな物事にも 同じことが言えると思う。 私も この地に引越したのは神に選ばれたんだと思いたい。 (えへ) 人生に、プライドを持って、自信を持ってどんな人とも仲良くし、善き人間として生きたいと思う。