悪魔の2歳児-ベランダに締め出されたママのとった行動-
夕方、妻が洗濯ものを取り込んでいるときに、娘がサッシをロックしてしまった。妻はガラス越しに誘導しては、解錠させようと試みた。施錠レバーに手をかけるところまでは誘導できるのだが、サラはどうしてもそれを上げて解錠してくれない。自分がした悪魔的所業については無自覚で、ママが何をガラスの向こうで叫んでいるのかわからないサラ。携帯電話でも所持していれば、いかようにも方法はあったのかもしれないが、それはガラスの向こう側。夫は連日の深夜帰宅。相当なボリュームで叫んでも、隣室の住人の反応はなく、不在を思わせる。地上11階のベランダはかなり冷え込んできた。ガラスの向こう側の娘の挙動も心配になる。決心。意志を固める妻。物色。ベランダに置かれている、ほうき(DALTON社製で金属製の柄をもつ)を選択した妻。ガラスの向こう側の娘がウインドウ付近を離れた瞬間を狙って、アクションした。ガラスは1センチほどの厚みがある。ワイヤー入り構造のためかびくともしない。しかし、もうやるしかないと決めた妻は、さらなる力をこめて叩き割った。。。「ガラス割っぢゃっだー。サラがあぁぁー。」という半狂乱なTELを受けた俺は、頭の悪いことに「オレを呼び出してくれればよかったのに」みたいなことを口走り、「ヴぁかか、ケイタイなんてもってるわけねーだろっ」みたいな怒号のカウンターを食らう。しかも、「21時には帰れると思う」と言った時間も守れず、帰宅後「すべての悪いことの根源はオレ」という新説が現れて、家庭内を支配した。管理会社に工務店を紹介してもらい、修理費を見積もってもらったところ、66,500円とのことだった。