復興増税
台風ですねえ。午後になって雨と風が一段と強くなってきました。さて、先週、所得税と法人税を基本に増税期間10年という復興増税案が発表されました(すんなりとこのまま決まるのかどうかはわかりませんが・・・)。この案によると、夫婦子供2人の家庭の場合、給与収入500万円の家庭では年額4,296円、700万円の家庭では年額11,196円、900万円の家庭では年額27,204円、1,500万円の家庭では年額97,404円、それぞれ増税になるようです。まあ年収が増えれば税金を負担する余裕も出るということなのでしょうけど、1,500万円の家庭は500万円の家庭と比べて年収が3倍しかないのに、増税は22.6倍になってしまっています。ちょっと過酷かなと思い、政府税制調査会の資料を探してみたら、平成22年10月の第8回専門家委員会の資料にこんなデータがありました。平成20年度実績で、就業者数6,385万人、納税者数4,677万人(差引1,708万人は収入を得ていても納税額はなしということ)平成22年度推計で、所得税納税者合計4,589万人(分離課税除く)。うち課税所得330万円までの納税者3,779万人(82.4%)で所得税額2.7兆円(25.3%)を負担。うち課税所得900万円までの納税者730万人(15.9%)で所得税額4.1兆円(38.8%)を負担。うち課税所得900万円超の納税者80万人(1.7%)で所得税額3.8兆円(35.9%)を負担。このデータは、仮に夫婦子供2人(1人扶養、1人特定扶養)の給与収入ベースに換算しなおすと、課税所得330万円は給与収入785万円に、課税所得900万円は給与収入1,430万円になるそうです。平均給与額が460万円程度という実情を考えると、まあこんなバランスでも仕方がないのですかねえ。でも大震災という国難に直面した現実から考えますと、例えばこれまでは収入を得ていても納税額なしという1,708万人にも、年額1,000円くらいなら負担を分かち合っていただけるのではないでしょうか。そうすれば財源は170億円増やすことができます。また、これまで増税がなかった方々でさえ負担をしていただくのだということになれば、しっかり稼いでいる方々も復興増税を快く引き受けていただけるのではないでしょうか。当然政府も歳出削減等をきっちりとやって、納税者の納得感を出せるようにしていただくことが大前提ですよね。まあ、いずれの場合もお父さんのお小遣いが増税額相当分減らされるという現実は変わらないのでしょうが。でも経済が活性化しないと、長期にわたって復興を支えることはできません。ですから各ご家庭の財務大臣殿、どうかお父さんのお小遣いだけを狙い撃ちにしてしまうようなことがないよう、これまた家庭全体で負担を分かち合ってくださいませ。お父さんが街に出て経済を活性化すれば、酒税という税収でも復興に貢献できるのですから(結局これが言いたかったのですが、我ながら言い訳がましい)。田中 大貴