悪いことをすると認められない特例
税金の世界にはいろいろな特例がありますが、今日は、相続税の特例について。 相続税を計算する場合、配偶者がもらった財産については、「配偶者の法定相続分」 OR 「1億6,000万円」 のいずれか大きい金額まで 相続税がかからないことになっています。 配偶者の法定相続分とは、 ◆ 相続人が配偶者+子の場合は、1/2◆ 相続人が配偶者+親の場合は、2/3◆ 相続人が配偶者+兄弟姉妹の場合は、3/4◆ 配偶者のみの場合は、全部 となります。 ですので、あまりないケースかもしれませんが、 ご夫婦の間にお子さんがおらず、 亡くなった方のご両親もすでに他界し(おじいちゃんおばあちゃんも他界)、 亡くなった方が一人っ子(兄弟姉妹がいない)、 養子縁組もしていない・・・、なんて場合は、 財産が1億円あろうと、10億円あろうと、 基本的には相続税はかからないことになります。 (ただし、相続税の申告は必要です) この「配偶者に対する相続税額の軽減」の立法趣旨は、 ◆ 財産は夫婦で一緒に築いたもの◆ 同世代間の財産の移転では、相続税を課さず、次世代間への財産の移転で相続税を課しましょう といったところでしょう。 ところで、万が一、財産を故意に隠した場合にはどうなるのでしょうか?(法律用語で「隠ぺい仮装行為」といいます) 仮に、相続財産として申告すべき、現金や預貯金、海外資産などを、故意に隠したとします。 そうすると、その隠した部分の相続財産については、上記の特例を受けることはできず、相続税がかかることになります。 もともとゼロでもよかった金額について、 まるまる相続税がかかる場合もあり、さらには、罰金(35%や40%)や利息もかかるため、隠したことによるペナルティはかなり大きい金額になるのです。 「正直者が得をする」この特例。 ちゃんと有利に活用したいものです☆ 舟越かおり