宝くじと公営競技
先日大阪地裁で脱税を発端とした競馬の所得に関する判決が下ったのは皆さんご承知の通りですね。高裁に控訴されたようので最終的な結論は先に持ち越しとなっていますが、それにしても3年間で28億7千万も馬券を購入し利益も1億4千万とは驚きです。この事件で興味があることが2点ありました。1. はずれ馬券の経費性今回の裁判で論点になっているところです。裁判所は原則は競馬の利益は一時所得としながらも「無差別に一定条件で馬券を購入し多額の利益を得ており資産運用の一種」ととらえ、利益は雑所得、はずれ馬券は必要経費と判断したようです。この特殊性を過大解釈して、毎日資産運用としてパチンコ屋に通い数百万の赤字が出たらこの雑所得と相殺できるのでは、などと考えている人はいませんかね。2. 宝くじと公営競技の違い宝くじの当せん金は非課税となっていますが、これは当せん金付証票法という法律が根拠となっています。しかるになぜ公営競技の収益は課税なのか。宝くじは購入に参加した時点で公的分配(50%)が控除され、当せんにも技術的要素を伴わないことから所得税が非課税となっているようです。公営競技は当せんするためには技術的要素が必要とされることから、まず最低限の公的配分を取り、それに所得を得た人から公的配分(25%)をもらいましょうという考えで所得税も課税されるということのようです。何とわかりにくい話でしょう。いっそう公営競技も宝くじと同じような仕組みにしたらどうなんでしょうね。※ 海外の宝くじは非課税にならないというのは上記のように公的分配金を国内の公共団体に払っていないということが理由なんでしょうか。理解できるような気もしますが。いずれにしても、多額の投資やギャンブルは金銭的にも時間的にも私には無縁なようです。 萩原博之