おそばせながら電子申告のススメ
インターネットで検索できる税務大学校のリポートによると、電子申告は平成16年2月に名古屋局でスタートしたそうで、そこから今まで10年以上の歳月が経過しています。私はその時期にこの世界に入りましたが、当時はまだ印刷、印刷、印刷・・・とにかくペーパー社会で、会計業というのはかくも紙を使い、無駄にするのかと驚いたものでした。その後、私の古巣の会計事務所も徐々に電子申告の割合が増え、私自身も電子のありがたさに慣れていきました。クライアントの中には「印鑑を押してナンボ」「そんな恐ろしいことするな」というトップもいらっしゃったが、大半の税務書類は電子化。いまや我々の業務においては、電子申告、申請は欠くことができないツールの一つになっていると言えるでしょう。何を今更・・・と仰るかもしれませんが・・・さて1年半前に、開業して仕事を始めました。非常に慌しい開業でしたが、会計ソフトも入れたし(少し)書籍も揃えたし、あとはがんばるだけということで。ところが、最初の申告書を世に送り出そうとしたときに、電子申告ができない。それはそうです、何の準備もしていないのだから。そうか、準備が必要なのだな。あ、では今回は紙で申告させていただいて、繁忙期を迎えるころに本格導入しよう、と。ところが愚か者の常ですが、「繁忙期にやろう」ってやれるわけがない!忙しいんだから。で、ついに開業後最初の春が、電子申告をできずに(紙で)終わってしまった 汗さて閑散期がやってきて、今度こそ電子申告を導入しようとしてみると・・・次世代ナントカカードが必要??? カードリーダーが必要???そういえば以前勤務していたときにも、そんなのがあった気がする、確かに。うん。ということで慌てて日税連に連絡して電話・郵便を何往復かしてようやくカードを入手!リーダーも買った!で、そこから・・・マニュアルを読み、日税連や国税庁のホームページを(目で)走り回り、あれこれ試すがうまく行かない。少し試しては時間切れ、次にやったらまた一からやり直し、などとやっているうちに秋が終わってしまう・・・!!!てっきり、会計ソフトに「電子申告システム」が入っているから、さして労なく使える状態に至るものと思っていました。思えば、前の事務所ではシステムの得意な職員や事務さんが導入してくれて、かつ毎回、送信前後の面倒をいろいろ見てくれていました。導入に伴う作業や手続がいろいろあったこと、自分は電子申告「するモノ作り」に専心できていたことを、今更ながら気付かされるばかりでした。ともあれ、年末にようやく電子申告のセットが完了。年が明けて地方税(償却資産申告)から恐る恐る電子送信。即時通知も出たし番号付きの申告書控もすぐ戻ってきた。でも、本当に全部役所に届いているのか、実は別のところで止っていないか、とかあらぬ不安の数日間。情けないけどドキドキ・・・で、初送信から数日後に某市役所から、表記の確認で電話があった。市「あのー、資産所在地の住所は○○と○△でいいのですね?」私「は、はい!!○○と○△でいいんですが、それよりちゃんと届いてるんですね?」市「それはもちろんです、だから連絡してるんですよ」私「あ、ありがとうございます~!!涙」ということで今月、ようやく私の事務所に開業後初めて電子申告が導入されたのです。今まで「普及率・・%」と聞くたびに、みんなもっとやればいいのに・・・とお高くとまっていましたが、みんながこれをやるのは意外と大変なことです。電子世代の現代っ子(40歳)であると自負してましたが、その自負も役にも立たず、今回の導入は苦労しました。気恥ずかしさはありますが、それでもこの一連の一人ドタバタをブログに記すことで、どこかの誰かの支えになるかもしれないので書いてみました。泣くほど便利な電子申告。適切な普及に向けてまい進していきましょう!!岸野康之 拝