復興庁に行ってきました
先月のブログで東日本大震災について触れさせていただきましたが、今月もまた震災関連になってしまいました。先月、ひょんなことから復興庁で開催された復興予算についての勉強会に参加してきました。復興庁は東日本大震災の復興を担うために設置された役所で、他の各省庁から職員を派遣してもらって活動しているそうで、今回は財務省出身の方と国交省出身の方から説明を受けました。また復興庁は10年間という期間限定で設置され、平成27年度までの5年間が集中復興期間、平成28年度からの5年間が復興・創生期間という考え方で区切られているとのことでした。復興庁だけではなくその他の省庁を含めた東日本大震災復興特別会計の平成26年度歳出実績額が3兆7,921億円、平成27年度歳出予算額が3兆9,087億円ということですが、桁が大きすぎてピンときませんね。平成27年度歳出予算の主要な内訳は、1 被災者支援1,288億円、2 まちの復旧・復興13,487億円、3 産業の振興・雇用の確保1,679億円、4 原子力災害からの復興・再生7,801億円となっています。こう見ると、原子力災害への対策に思った以上に大きな金額が投入されていることがわかります。ここまでの5年間で公共インフラ等の復興については、かなりの着工率になってきています。しかし、県別でみるとやはり福島県の進捗が他の県に比べて明らかに遅れているという実態がわかります。今年2月時点でも、まだ約9.9万人の福島県民の方が避難生活を強いられています。勉強会後の懇親会では、講師の方々とさらに突っ込んだ話をさせていただきました。科学的根拠のない風評被害で福島県の産業(農林水産業、工業、観光業等)再生が進展していないという実態は復興庁の方々もその他の省庁の方々もずっしりと重く受けとめられているそうですが、こういうところはもっとメディアが取り上げてくれてもいいのではないでしょうか。また高台移転や瓦礫の保管等を進めるにあたり土地の売買や賃貸借が必要だったのですが、不動産の移転登記(たいてい相続登記)がきちんとなされていない物件も多く、契約の相手方を確定させるのにかなりの時間を要したということでした。そりゃあ、とうに亡くなった3代前のおじいちゃんと契約書を交わすわけにはいきませんもんね。こういうことを考えますと、登記費用もかさみますが、やはり相続が終わったらきちんと登記変更手続きをしておかなければいけませんね。相続税申告だけではなく、こういったところも私達税理士がきちんと相続人の方々に話をしておかなければいけないんだなあと感じました。田中 大貴