なぜか防衛問題
確定申告真っ只中ではありましたが、頭の切り替えも兼ねて防衛省の方を講師に迎えての研修会に参加してきました。昨秋には武道館に自衛隊祭りに出かけたり地元に防衛医大があったり隣町に航空自衛隊の基地があったりと、わりと自衛隊は身近ではありますが、真面目に防衛政策について聞くことはありませんでした。今回はそれこそ真面目に「我が国を取り巻く戦略環境と防衛政策」というテーマで講演していただきました。 いくつも新鮮な驚きがありました。まずは日本の自衛隊が行っている情報開示の充実ぶりに驚きました。保有戦車約690両、保有艦艇137隻、作戦機約330期(このうちいわゆる第4世代戦闘機293機)というように、えっ?こんなに開示してしまっていいの?と思うくらい公表されています。ちなみに数日前にミサイル発射実験を行った北朝鮮は、保有戦車約3,500両、保有艦艇780隻、作戦機約560機、陸上兵力約102万人と数は多いものの、ほとんどが旧式で今日の実戦では役に立たず、いわゆる第4世代戦闘機に至ってはわずか18機だそうです。だから飛び道具(ミサイルと核弾頭)に頼らざるを得ないんですね。 次にここ数年間での中国の軍事力強化の勢いにも驚きました。2016年の公表防衛費は約18兆円と過去10年間で約3.4倍になったそうです(あくまでも公表されているだけで、実際には最大その3倍との見方もあるようです)。ちなみに日本の2016年の公表防衛費は約4兆円です。金額もさることながら、軍備の近代化が進み、さらには宇宙空間での活動やサイバー戦の準備も行っているとのことでした。数日前にも北朝鮮はミサイル発射実験を行いましたが、日本としても弾道ミサイルに対する防衛体制を整えているとのことでした。米軍の通信基地がある所沢市民としての関心は、北朝鮮のミサイルの目標に対する命中精度ですから、この点については質問をさせていただきました。かつては東京を狙って所沢に落ちるなどと冗談を言っていましたが、最近は技術レベルが上がって、私達が思っている以上の命中精度を持ってきているとのことでした。と言うことは、ちゃんと通信基地を狙ってくれれば自宅には落ちないということでしょうか。まあ喜んでいいのか悪いのか…。 とは言え、やはり踏み込んだ質問には防衛上の機密もあって回答できませんというものもありましたよ。いずれにしても、私達が平和に暮らせて、わき目もふらずに確定申告作業に没頭できているのも、人知れず備えていてくれている自衛隊の方々がいるからなんだなあと、あらためて感謝しました。東アジアの緊迫化している状態から国民を守るために、中国並みとは言わないまでももう少し防衛費を増やしてもいいのではとは思いますが、限られた国家予算の中ではなかなか難しいのでしょう。よし!やはりここは頑張って酒税で貢献しよう!いやいや、まずは目の前の確定申告を終わらせなければ。国家予算への貢献は、もうしばらくお預けですね。 田中 大貴