養子の数の制限
相続税の計算においては「基礎控除」というものがあります。 相続税法第15条1項 「相続税を計算する場合においては、相続税の課税価格の合計額から、 3千万円と600万円円に相続人の数を乗じて算出した金額との合計額 を控除する。」 例えば相続人が2人の場合、 3千万円+600万円×2人=42,000,000円 細かいことは抜きにして ざっくり言うと、この金額までは相続税がかからない、 というものです。 そして、 相続税法第15条2項に「養子の数の制限」があります。 法定相続人の数に算入する養子の数は、 被相続人に実の子供がいる場合においては一人まで、 被相続人に実の子供がいない場合においては二人まで、 となっています。 基礎控除を意図的に増やすことを防止する規定です。 そこで、ふと疑問に思いました。 被相続人に子(第1順位)も親(第2順位)もいない場合、 相続人は兄弟姉妹(第3順位)となります。 もしも被相続人の親が生前に養子縁組をしていた場合、 被相続人に兄弟姉妹が増え、法定相続人の数が増えます。 この場合、養子の数は何人まで? 養子が10人・・・基礎控除9千万円でもOK? 本当に? 答えは何人でもOKです。 被相続人の親が養子縁組をした時点では、被相続人の親(第2順位) がいるので、兄弟姉妹(第3順位)は相続人ではありません。 したがって意図的に相続人を増やすとか、そういう話にはなりません。 考えて見れば当たり前ですが・・・(笑) 恥ずかしながら、ちょっと悩んでしまいました。 実務では、テキストには載っていないこともいっぱい起こります。 ・たくさんの事例を経験して体で覚える! ・答えは必ず条文にあるから、条文をよく読む! どちらも大事だと思いながら、 日々悩んでいる中山でした! 中山篤英